経営が厳しい状況であるクルーズ船事業者のゲンティン香港は、リゾートワールド・ラスベガスで使用する高級チャーター用のプライベートジェット機をゲンティン・バーハッドに売却することで合意した。
このジェット機は、ボンバルディア製2007年式グローバル・エクスプレス XRSで、現在は同社の100%子会社であるクリスタル・ラグジュアリー・エアクラフト・ホールディングスが保有しているが、非中核資産を処分する戦略の一環として売却されることになった。
この400万米ドル(約4億4,200万円)の売却により、同社は「新型コロナウイルスの感染拡大に起因する不確実性を考慮して、流動性を高められる」。
同社は6月29日(火)の報告の中で、航空機の簿価が約1,050万米ドル(約11億6,000万円)であることから、売却により約650万米ドル(約7億1,900万円)の損失を計上することになるが、エンジンの修理費用として年間300万米ドル(約3億3,200万円)、さらに運用費として300万米ドル(約3億3,200万円)の節約になると述べている。
同社の発表によると、購入者は、先週24日(木)に43億米ドル(約4,750億円)のリゾートをラスベガス・ストリップにオープンしたリゾートワールド・ラスベガス。
ゲンティン・バーハッドとゲンティン香港の両方で会長、CEO、常務取締役を務めるリム・コック・タイ氏は、家族信託ゴールデン・ホープ・リミテッドを通じてゲンティン香港に直接および間接的に70.915%出資するなど、両社の大株主である。
ゲンティン香港は、高級ヨット会社の株式をリム氏に、ナイトクラブブランドのズークをリム氏の息子であるリム・ケオン・ホイ氏に売却しており、今週初めには26億米ドル(約2,870億円)の救済策について貸主との間で様々な合意が成立したことを発表している。