ゲンティングループの会長兼CEOであるリム・コック・タイ(林国泰)氏は、ゲンティン香港の子会社で問題を抱えるクルーズ船会社の流動性を高めるための継続的な取り組みの一環として同社の24.68%の株式を購入した。
ゲンティン香港の会長兼CEOでもあり、同社の個人的な株式の76%を保有しているリム氏は、今週、世界中で高級ヨットを製造・販売しているシンガポールの上場企業であるグランドバンクヨットの1,060万SGドル(約8億円)相当の株式購入契約を締結した。
この買収は、グランドバンクヨットの全株式をゲンティン香港が保有したことを意味する。
「壊滅的な新型コロナのパンデミックは、世界中のビジネスに深刻な混乱を招き、2020年2月以降、クルーズおよび観光業界を突如停止させた。」と、ゲンティン香港は同社の株式売却の報告時に語った。
「世界的ビジネスは、社会活動を大幅に中断させた大規模な新型コロナ感染防止対策の実施により深刻な打撃を受けた。
「新型コロナのパンデミックの発生時、当グループは積極的に経費削減を図り、現金を節約してキャッシュバーンレートを下げるなど迅速な対策を講じてきた。我々は、クルーズ事業の部分的再開に対する取り組みを維持するため、現金を節約し、弊社の中核部分以外の資産および投資の売却含む新たな資金源を探す努力を続けている。
今回の弊社の中核部分以外の資産および投資の売却により、当グループに流動性を与えることができるだろう。」
ゲンティン香港は新型コロナの影響を大きく受けて、昨年8月、2つの子会社が370万ユーロ(約4億円)の銀行手数料を支払わず債務不履行となった後、流動性を維持するためにグループの金融債権者へのすべての支払いを一時的に停止したことが明らかとなった。
リムの息子であるリム・ケオン・ホイ氏が、ゲンティン香港の副CEOを辞任したが、それは同氏がズークのナイトクラブブランドを1400万シンガポールドル(約10.9億円)で手に入れた後であった。
ゲンティンHKは11月に、マカオのナムヴァン湖沿いにホテルを展開している完全子会社のゲンティンマカオの株式の半分となる7億5,000万香港ドル(約104.9億円)で売却すると発表した。同社はその後、残りの株式について将来的な売却の可能性を示唆している。