オーストラリアのカジノ事業者であるクラウン・リゾーツとスカイシティー・エンターテイメント・グループは、金融犯罪監視機関AUSTRACから、パースとアデレードにあるそれぞれのカジノでマネー・ローンダリング防止法に重大な違反があった可能性があるとの通知を受け取った。
両社が6月7日(月)に出した発表によると、懸念事項にオーストラリアの2006年マネー・ローンダリング防止及びテロ資金供与防止法、クラウン・パースによる2007年マネー・ローンダリング防止およびテロ資金供与防止規則への重大な違反の可能性が含まれているということであった。 具体的には、継続中の顧客のデューデリジェンス要件と、スカイシティ・アデレードでのAML(資金洗浄防止)/CTF(テロ資金供与防止)プログラムの採用と維持についてである。
その懸念事項は、AUSTRAC が両社に対して実施したそれぞれのコンプライアンス評価の一部としてみなされた。スカイシティ・アデレードに対する調査は2019年9月に開始した。それは2015年7月1日〜2016年6月3日まで、および2018年7月1日〜 2019年6月30日までの期間中に高リスクで政治的に危険にさらされていると特定された顧客の管理に焦点が当てられている。
2020年10月にクラウン・メルボルン・リミテッドのコンプライアンスについて同様の調査が開始され、クラウン・パースによる潜在的な違反が明らかになった。
現在この問題は、両社のコンプライアンスに関する正式な規制調査を開始したAUSTRACの監視チームに付託されている。
スカイシティは、AUSTRACから調査の一環として同社に対しさらなる情報を要求するという通知を受け取ったと発表した。
同社は以下のように述べている。「弊社は、それらの問い合わせとスカイシティ・アデレードの調査に関して、AUSTRACに完全に協力するつもりだ。
我々はマネー・ローンダリング防止の責任と義務を非常に真剣に受け止めている。そこで弊社はマネー・ローンダリングを検出して防止するためのプロセスと実践を業務に導入し、マネー・ローンダリング防止のすべての要件を満たしていることを確認するためにこれらを継続的に見直している。」
クラウンは、「クラウン・パースは、このプロセスに関してAUSTRACと完全に協力する」と付け加えた。
このような重大な違反の可能性関するニュースは、昨年クラウン・リゾーツがNSW州のカジノ ライセンスを保持する適性についての調査中になされた同社に関するAMLコンプライアンスの問題を巡る暴露に続くものである。その後、同社は不適格であることが判明し、ビクトリア州と西オーストラリア州での同社の事業に2つの王立委員会が発足した。両委員会は今なお継続中である。
スカイシティ自体は、アジアのジャンケットの役割に関するクラウンの問い合わせの一部として提起された懸念にすでに答えており、4月にはジャンケット事業者とのすべての取引を永久に停止し、国際的なVIP業務を自社で行うと発表した。