ビクトリア州で現在進んでいるクラウン・メルボルンへの王立委員会に提出された証拠によると、最大16のクラウン・リゾーツ銀行口座、そしてその一部はつい2月に、資金洗浄に利用された可能性がある。
昨年ニューサウスウェールズ州で行われた前回調査で罪を証明する証拠が見つかった後、今回のビクトリア州での王立委員会、そして同時に、西オーストラリア州でもクラウン・パースへの王立委員会が進められている。
今年2月にバーギンレポートで公表された調査結果には、子会社であるサウスバンク・インベストメンツとリバーバンク・インベストメンツが運用する2つのクラウン・リゾーツ口座が資金洗浄に使用された可能性が高いという指摘が含まれていた。
両口座はすでに閉鎖されているものの、ビクトリア州の王立委員会は今週、この問題ははるかに広い範囲に及んでいる可能性があるという報告を受けた。
デロイトの報告によると、他に最大14のクラウン・リゾーツ口座が、直近では2月にも資金洗浄に使用された証拠を示しているという。
月曜、証言台に立って証言したクラウンの監査に関わる別企業、グラントソントン・オーストラリアのパートナー、キャサリン・シャマイ氏は、クラウン口座の調査中に複数の危険信号が検知され、2つの口座がストラクチャリングの犠牲になったことを指摘した。
ストラクチャリングは、金額の大きな取引を多数の少額取引に分割して、1万豪ドル(84万円)という申告基準以下にしておくという資金洗浄の手法。
シャマイ氏はその後、グラントソントン・オーストラリアが入手したデータに基づいてクラウン口座への公式な結論を出すことは不可能であると主張したものの、まずは疑わしい取引が行われたという考えを述べた。
News Ltdの報道によると、同氏は「あったとは思うが、品質審査プロセスを経ていないため、明言は出来ない。回数または金額は分からない。」と語った。
グラントソントンの報告によると、2013年から2016年の間にリバーバンクの口座に入金された預金の19%がストラクチャリングの兆候を示し、サウスバンク口座の1.3%が同様に疑わしいようだ。
王立委員会を支援する弁護士も今週、2月以降5人の元取締役、CEOのケン・バートン氏および法務責任者であるメアリー・マノス氏が辞任したにもかかわらず、クラウンが資金洗浄の懸念に対して十分な対処をしているかを疑問視した。クラウンは、新たに最高コンプライアンスおよび金融犯罪責任者も任命している。