マレーシアを拠点にするゲンティングループの香港上場クルーズ船子会社、ゲンティン香港が、問題を抱えるクルーズ事業を維持し続ける努力の中で、マカオのホテル・カジノ開発に持つ残りの全株式を最終的に売却する可能性が高いと話す。
同社は11月、ゲンティンマカオの株式の50%を著名な地元の不動産投資家、Ao Mio Leong氏に売却するための合意に達したと発表した。ゲンティンマカオは当時、ゲンティン香港の100%子会社で、マカオの南湾湖沿いにホテルを開発している。同社が流動性を保持するために金融債権者への全ての支払いを停止してから3カ月後となる今回の売却は、ゲンティンに7億5,000万香港ドル(約100億円)をもたらした。
木曜の報告書の中で、ゲンティン香港は、取引は2020年12月2日に完了したものの、最初の売却契約の一部にある売買特権付きオプションを基に残り50%を売却する可能性が高いままであることを示唆した。
契約の下でAo氏には、売却の完了から、ゲンティン香港がゲンティンマカオに持つ残り50%の株式を購入することになるコールオプションを行使するまでに12カ月間が与えられており、ゲンティン香港には、プットオプションを通じて売却を求めるのに2021年12月2日からさらに12カ月間が与えられている。
特に、同社は木曜、ゲンティンマカオへの支配権または影響力を一切保持しておらず、オプションが行使される可能性によって、50%の売却は会計目的で100%処分として取り扱われることになると述べた。同社は、ゲンティンマカオが子会社ではなくなったと付け加え、グループの資産はその結果5億710万米ドル減少したと考えられている。
ゲンティン香港はまた、基本的には新しい湖畔の開発計画のために大きな利益をもたらすマカオのカジノライセンス取得という夢を棄て、主要なクルーズ船事業を持続させるために、マカオの資産の売却を余儀なくされていると認めた。
将来的な開発コストがさらに27億2,000万香港ドル(約366億円)かかると予想される中で、同社はこれは「間違いなくクルーズ船及び造船事業に集中する必要がある時に、グループの資源を流すことになるだろう。
さらに、この取引によって、当グループの流動性が向上し、船の中で稼働していないクルーズ船のレイアップ(停船)、そして継続して公開しているそれらクルーズ船の継続的な営業が可能となり、さらに当グループのクルーズ船関連およびその他事業に資金を回すことが出来る。
特に売却・購入契約が締結された2020年11月、グループはシンガポールでワールド・ドリーム号の展開を再開していた。この取引で調達された資金は、感染予防の『クルーズセーフ』認証のための船上施設の強化、および船の再生のための追加の運転資金を提供し、同時に停泊している他の船のバーンレート(資金燃焼率)も賄っている」と述べた。