問題を抱えるクルーズ船事業者のゲンティン香港が、ゲンティン・マカオへの持株半分の売却を発表した。ゲンティン・マカオはゲンティン香港の100%子会社でマカオの南湾湖沿いにホテルを開発している。
香港証券取引所への水曜の報告書によると、買主は著名な地元の不動産投資家、Ao Mio Leong氏で、不動産開発会社YOHO GROUPの創業者であり代表を務める人物。
Ao氏は取引の一環として総額7億5,000万香港ドル(約102億円)を支払う予定で、その内訳は株式取得のための5,000万香港ドル(約7億円)、そしてゲンティン香港が以前ゲンティン・マカオに対して発行した融資の返済をカバーするための7億香港ドル(約95億円)。
ゲンティン香港は、今回の取引の結果、貸付金及び債権の減損処理での損失など同社の資産に1億5,900万米ドルの損失が生じると予想されているものの、経費を差し引いた後でおよそ5,958,000米ドルという目下必要な短期資金を作り出すことになると述べた。
今回の売却の約3か月前に、同社は新型コロナウイルスによる圧力の中で流動性を保持するために、金融債権者に対して全ての債務返済を一時停止していた。2020年7月31日時点での負債残高は33億7,000万米ドルだった。
ゲンティン香港は水曜、今回の取引は「非中核資産を売却するというグループの目的と一致しており、ゲンティン・マカオの事業に関連する将来的な資金提供要件を満たすことへの当グループの財政負担を減らすことになる。
さらに、この取引によって、当グループの流動性が向上し、調達資金はグループの一般的な事業費用に使用されることで、グループが持つ船の中で稼働していないクルーズ船のレイアップ(停船)、そして継続して航行するクルーズ船の運航が可能となり、さらに当グループのクルーズ船関連およびその他事業に資金を回すことが出来る」と述べた。
ゲンティン・マカオは75%を所有するとレジャー・アイランド・エンターテインメントという子会社を通じて、マカオ半島の南湾湖沿いの8,100㎡の土地区画に、リゾートワールド@マカオと呼ばれるホテルを開発している。
同社は以前、マカオ当局からの承認を待って、その開発にカジノを加える計画の詳細を説明し、マカオの6つの現コンセッション保有者のライセンスが2022年6月に期限切れを迎えた際に、ゲーミングライセンスの再入札プロセスに参加する予定であることを示唆していた。
ゲンティン香港の別の子会社、スタークルーズが元々は2007年に、14億6,000万香港ドル(約200億円)でトレジャー・アイランド・エンターテインメントの75%の株式を購入していた。