IR参入を巡る贈収賄事件が大手IR事業者に”飛び火”してきた。NHK、産経、日経、そして共同通信などの日本の大手メディアが金曜朝一斉に、東京地検特捜部が中国企業「500ドットコム」とは別の大手カジノ事業者の日本法人を関係先として家宅捜索したことを報じた。
産経と日経は「東京地検特捜部が中国企業500ドットコムとは別の大手カジノ事業者の日本法人を関係先として家宅捜索した」とし、NHKは「汚職事件の関係先として東京地検特捜部が海外の大手カジノ事業者の日本法人を捜索していた」と報じた。
信頼できる情報筋によると、問題の大手IR事業者はマカオにある「メルコリゾーツ&エンターテインメント」とみられ、IAGは1月17日と20日に日本の捜査当局がその事務所を訪れていたことを最新情報として入手していた。捜索では書類などが押収された。
中国企業「500ドットコム」からの収賄容疑で14日に再逮捕された衆院議員の秋元司容疑者(48)の行動経緯、背景などを調べるとみられる。
秋元議員は17年12月、中国・深圳の500ドットコム本社やマカオのカジノを訪問した。約150万円相当の旅費が500ドットコムから提供された疑いがあり、さらに合計約1,000万円にのぼる金銭の授受があった疑いも持たれている。秋元氏はマカオを訪れた際、少なくとも1軒、メルコのカジノ施設に立ち寄っていた。
メルコは日本でのIR事業へも深く関心を寄せ、東京都内、大阪市内や横浜市内に日本法人を設立し、これまでに複数の自治体のIR構想に参入する意向を示していた。
NHKや日経によると、当事業者の日本法人はこの件に関し「捜査についてはコメントできない。運営するマカオの施設を秋元議員が視察に訪れたことはあるが、違法なことは一切ない」とし、また「食事や宿泊の手配を含め、接待をしたことや、便宜を図ってもらったことは一切ない」と話している。
特捜部は押収した資料を分析するなどして詳しい状況について捜査を進めているものとみられている。
弁護士によると、秋元議員は一連の事件について全面的に不正を否定している。