渦中の豪カジノ事業者、クラウンリゾーツは、アジア拠点のジャンケット事業者との関わりに対する批判に反応し、同社には、提携する会社への入念な調査、そして定期的な事業提携の見直しのための「確固たるプロセス」があると主張した。
週末複数のメディアが、アジアの組織犯罪集団とのつながりと移民局職員によるハイローラーへの優遇疑惑を報じたことを受けて、政府はオーストラリア法執行公正性委員会(Australian Commission for Law Enforcement Integrity)による喚問を命じた。クラウンはこれに対応してコメントを発表した。
報道では「The Company」と呼ばれる犯罪集団が「クラウンに関係のある」銀行口座とジャンケットルームを使用して資金洗浄を行い、犯罪集団のメンバーがクラウンのメルボルンとパースのカジノにハイローラーを誘いこむことで報酬を受け取ったと伝えている。犯罪組織は違法薬物の取引にも関わっていると言われている。
クラウンはここ3日のほとんどの間、沈黙状態を貫いたが、火曜になってついに長文の声明を出し、同社の規制プロセスやジャンケットとの関係の正当性を主張した。
同社は、「クラウンには取引を行うジャンケット事業者を入念に調査する「確固たるプロセス」があり、気になる新情報や追加の情報があった場合にはこれら事業者の定期的な見直しを実施している。
クラウンには、包括的なマネーロンダリング防止およびテロ資金供与防止プログラムがあり、これは金融規制当局であるAUSTRAの監視の対象になっている。クラウンは州と連邦両方の、法執行機関を含む全ての規制当局と緊密に連携している。この点において、クラウンは10,000ドル以上の全ての取引および金額に関係なく疑わしい全ての取引を報告するなど、義務として積極的に様々な情報を提供している」と述べた。
クラウンは、法的そして規制上の責任を「真摯に」受け止め、いかなる捜査にも全面的に協力すると付け加えた。
クラウン・メルボルンとクラウン・パースを運営し、現在22億豪ドル(約1,645億円)をかけてクラウン・シドニーを開発中の豪カジノ大手、クラウンリゾーツでは、2016年に従業員19人がギャンブルを宣伝したとして中国大陸で逮捕されて以来、VIP営業が厳しい調査の対象になっている。