MGMリゾーツ・インターナショナルが英スポーツくじおよびiGaming大手のエンテインの取得を目指す取り組みを終わらせた。
同社は(ラスベガス時間)火曜、声明を出し、「即座に拒否されたエンテインの支配権獲得のための最初の全額株式提案を熟慮し、慎重に検討した結果、修正案を提案するつもりはない」と述べた。
MGMは以前、エンテイン株1株に対してMGM株0.6株での提案を行なった。同社はエンテイン株の価値を約129億米ドル(約1兆3,399億円)と見積もっておりこれはエンテインの現在の株価からは22%の割増に相当する。
提案の条件の下で、エンテインの株主はその合併会社のおよそ41.5%を所有することになっていた。
部分的な現金オプションも発表されたが、MGMリゾーツの株主であるIAC/InterActiveCorpがその動きを支持し、実現するために最大で10億米ドル投資すると約束するような後押しがあったにもかかわらず続行されることはなかった。
エンテインが、急速拡大する米スポーツくじブランドのBetMGMでのMGMの合弁事業パートナーであることに変わりはなく、MGMのビル・ホーンバックルCEOは火曜、そのパートナーシップは今なお「当社の物理的なゲーミング、エンターテイメントおよびホスピタリティプラットフォームを最大限活用し、デジタル面で拡大し続けるにあたって重要な優先事項」だと述べた。
そして「我々は、BetMGMが市場で上位3社に入る地位を確立したと考えており、今後もエンテインと協力して、2021年末までに20州で稼働を予定する中、その好調な勢いを確実に続けていけるよう集中していく」とコメントした。
エンテインの取得をこれ以上追い求めないという今回の決定は、大阪にとっては良いニュースとなる。MGMは地元パートナーであるオリックスと共に大阪での統合型リゾート開発を目指す唯一の入札者となっている。
投資顧問会社のサンフォード C バーンスタインは、そのような大きな資源をエンテインへと投資することは、「大阪で目指してきた日本での大規模IR開発を求めるMGMの気持ちを削ぐことになり、MGMが結局は、日本の統合型リゾート事業から身を引くまたはパートナーシップへの出資比率を下げるということにつながる可能性がある」と指摘していた。
マカオのカジノ事業者であるMGMチャイナの株主、スノー・レイク・キャピタルもまた、MGMリゾーツに対して、同事業者にMGMが持つ過半数株式の一部を、中国のトップ消費者インターネット企業または旅行・レジャー企業に売却するよう求めており、それで調達された資金は、エンテインと大阪IRのチャンスの両方への関心を維持するのに役立つと提案していた。
現時点では、エンテイン取得もMGMチャイナ株売却のどちらも検討されていないようだ。