ゲンティン・マレーシアは2020年第4四半期から、EBITDAの黒字転換が見られると予想できる。主要カジノの全てが営業を再開し、国内の好転が旗艦施設であるマレーシアのIR、リゾーツ ワールド ゲンティンの回復を支える。
木曜、野村のリサーチアナリストチームが発表した新型コロナウイルス中のマレーシア経済の状況を調査するマレーシア株式戦略に関するレポートによると、リゾーツ ワールド ゲンティンはすでに強い回復の兆しを示しており、1日最大4万人の来場者、そしてホテル客室の50%がオープンし、6月の再開以来平均稼働率は90%で推移する。
野村のレポートには、「リゾーツ ワールド ゲンティンが今後数四半期に緩やかな回復を見せ、テーマパーク開業で22年度に急激な変曲点がやってくる(正式な予定は2020年半ばも、遅れる可能性大)と予想している」と書かれていた。
しかしながら、キャットスキルズとニューヨークシティにある同社の米カジノの再開が、「海外客への依存度の低さによって6月の再開以降マレーシアのカジノで見られる好調な来場者数と相まって、20年第4四半期決算時期からEBITDAの黒字転換につながるはずだ」と述べた。
野村は、ゲンティン・シンガポールなどインバウンド観光にはるかに大きく依存するゲンティン・グループの他の子会社が、回復にかなりの時間を要する中、ゲンティン・マレーシアは国内観光によって良い成績を収めていると指摘した。
同社は、「海外からのインバウンドトラフィックは基本的にごくわずかで、マレーシア人は国内で休暇を過ごすために国内観光がその隙間を埋めているようだ。
マレーシアでのグーグル検索トレンドの調査が、航空便の検索トレンドはまだ新型コロナウイルス前の水準を下回っているが、『ホテル予約』や『ゲンティン』といったマレーシア内での国内観光に関する言葉の検索はほぼ新型コロナウイルス前の水準に戻っており、新型コロナウイルスに関する検索傾向が低下していることが、恐怖要素が消えつつあることを示している」と言う。
野村は、ゲンティン・マレーシア株の「Buy」レーティングを継続しており、バランスシートの健全さ、そしてリゾートワールド・ラスベガス計画の短期ROIC(投下資本利益率)をめぐる懸念からゲンティン・バーハッドよりもゲンティン・マレーシアの方を好むと述べている。