投資銀行のジェフリーズによると、香港とマカオおよび広東省との入境口再開は、10月の連休に照準を定めて進められる可能性が出てきた。これによってマカオのゲーミング事業者は黒字に戻るまで長く待たなければならない。
水曜に公開されたリサーチレポートの中で、ジェフリーズのアナリスト、アンドリュー・リー氏は、20年度のGGR予想を以前の45%減から、前年比70%減に下方修正した。この大きな理由が、それら3地域間での3方向トラベルバブル構想の先延ばしだ。
リー氏は、「香港を待つことで、20年第4四半期にかけての回復に遅れが出る可能性がある。香港の問題は、現在来ている新型コロナウイルス感染症の第3波、そしてまだ公式に広く認められた健康コードシステムが確立されていないというものだ。香港政府は、14日間の潜伏期間を2周、つまりは28日間、行政区内での感染が無ければ香港からウイルスが無くなるだろうと述べた。
よって、我々は同セクターが9月までは損失を生み出し続ける可能性が高く、再開の目途は2020年10月1日から7日までの中国の連休に設定されるだろうと予想している。
これを基に、我々は今年のGGR成長予想を70%減に引き下げ、そして20年第3四半期は、事業者が費用削減を続けない限り、またマイナスのEBITDAを計上すことになり得ると予想する。2021年GGRは、前年比で162%の回復となると予想している。それでもこれは2019年の水準を22%下回っている」と述べた。
リー氏は、20年第2四半期の業績発表シーズン中、利益は事業者にとって主な焦点ではなく、彼らは代わりに回復へのキードライバーに目を向けるだろうと指摘した。
同氏は、「次のキードライバーは、IVS(個人訪問スキーム)ビザの発行再開、中でも広東省は中国で発行されたIVSビザの72%を占めていたために、同省とのビザ再開が特に重要となる。
我々はIVSが中国の各省ベース、および省内の個々の都市べースで緩和される可能性が高いと見ている。団体旅行も同じ緩和パターンに続く可能性が高いが、GGRのキードライバーではない。
中国/香港/マカオがグレーターベイエリア(粤港澳大湾区)に注目していることを考えると、われわれはこれが香港を待つ間の、状況に応じた段階的回復になる可能性があると見ている」