マカオのコンセッション保有者、SJMホールディングスのパワーバランスが変化しているようだ。長きにわたって取締役を務めてきたルイス・ウ氏が最高執行責任者を辞職する。
創業者であるスタンレー・ホー博士の死去からたった2週間、SJMは火曜の報告書の中で、執行役員であったウ氏が非執行役員に再指名され、SJMホールディングスと子会社のソシエダーデ・デ・ジョゴス・デ. ・マカオ(Sociedade de Jogos de Macau, S.A.)のCOOとしての役割を終えていることを明かした。これらの役職は同氏がそれぞれ2006年と2002年から務めてきたものだ。
SJMの発表の中で、変更の理由については詳しく触れられていないが、以前から、ホー博士の娘で影響力のあるパンジー・ホー氏の2019年1月のパワープレイの後、同氏が非難の的になっている可能性があることがささやかれてきた。そのパワープレイによって、娘のホー氏は、SJMの親会社であるSTDMの支配権を引き継いだ。信徳集団(シュンタックホールディングス)では日本の社長に当たる董事総経理を務め、先週付でMGMチャイナの総経理にも就任した娘のホー氏は、STDMの53%を支配するフォック基金会(Fok Foundation)を含む5者同盟の1人。そのSTDMはSJMホールディングスの54%を所有する。
火曜の報告書によると、(同席会長のアンジェラ・レオン(梁安琪)氏およびCEOのアンブローズ・ソー氏と近い)ウ氏は、2020年6月10日から最初の2年間非執行役員を務めるという。その役職において同氏は年間65万香港ドル(約900万円)の役員報酬を受け取る資格を持ち、さらにソシエダーデ・デ・ジョゴス・デ. ・マカオの顧問として月額33万香港ドルを受け取る。
ワイン愛好家で、アジア最大の一流ワインコレクション(予想ではSJMのグランド・リスボアの下にあるセラーに1万7千本を保管)のために動いたことで有名なウ氏は、SJMホールディングスの発行済株式の2.09%に当たる118,452,922株を保有し、さらに0.56%分の予約権を持っている。
これが、SJMにとってさらに広い範囲でのトップ交代の始まりを示すかどうかは今のところはまだ分からない。