5月13日、ラスベガス・サンズ(LVS)が日本でのIR(統合型リゾート施設)開発を見送ることを発表し、話題騒然となった。横浜でのライセンス獲得を目指していたLVSは世界でも有数のIR事業者。非常にユニークなホテルで有名な、しばしば日本版IRのお手本とも言われているシンガポールのIR、マリーナベイ・サンズの運営事業者でもある。LVSは、日本でのIR開発の代わりに、マカオやシンガポールですでに運営しているIRの拡大など「他の機会」に力を集中させると述べた。まさに大きな鯨が一頭、横浜の港から去った形となった。
LVSはIR誘致を目指す横浜市のRFC(コンセプト提案)に参加していた。LVSの発表に関し、林文子市長は13日の定例会見で「驚いたという気持ちはない」「色々な要素が考えられる」「(新型コロナウイルス感染症による)世界的に厳しい経済状況の中で投資時期を考えたのかと思う」と述べた。同市のIR推進課の担当者はIAGの電話取材に「(LVSも)RFCの段階で参加していたが、まだRFP(事業者募集・選定)の段階ではないので、提案側もどの程度本気で横浜に参画しようとしていたのかは何ともわからない」と話した。
横浜市は6月までに、今年3月〜4月に実施したパブリックコメントの集計及び、「横浜IRの方向性(案)」「実施方針(案)」「募集要項(案)の骨子」の策定をし、8月に「パブリックコメントの結果」「横浜IRの方向性」「実施方針」「募集要項」を公表、その後RFPプロセスを実施する予定。同担当者は「このスケジュールに変更は無い」と述べた。