サンズ・チャイナは、VIP取扱高の減少とサンズコタイセントラルでの混乱によって、2019年9月30日までの3カ月間の純収益が2.0%減少したことを報告した。
現地時間木曜早朝に19年第3四半期の業績を発表した親会社のラスベガス・サンズは、グループ全体の純収益が3.6%減少し32.5億米ドル(約3,526億円)となり、マカオおよびラスベガス事業はマイナス、反対にシンガポールのマリーナベイ・サンズの純収益はプラスとなったことを報告した。
マカオでは、旗艦施設のザ ベネチアン マカオの純収益が8.51億米ドルへとわずかに減少し、カジノ収益は6.89億米ドルで横ばいとなった。
ザ ベネチアンでは、VIPローリングチップ取扱高が58.9億米ドルへと20.6%減少し、ウィン率もまた18年第3四半期と比べて低下した。その一方でマステーブル・ドロップ(掛け金総額)は23.4億米ドルへと7.6%の増加となった。スロット掛け金総額は23.4%増の9.96億米ドルとなった。
ザ・パリジャン・マカオでも同じような傾向となり、純収益とカジノ収益が微減し、それぞれ3.81億米ドルと3.12億米ドルとなった。
VIPローリングチップ取扱高は38.8億米ドルへと24.8%減少し、マス取扱高は11.2億米ドルへと7.3%増加した。スロット掛け金総額は13.9億米ドルへと27.1%減少した。
サンズコタイセントラルは最も大きな減少に苦しみ、純収益は4.87億米ドルへと9.3%減、そしてカジノ収益は3.59億米ドルへと10.3%減少した。ローリングチップは半分以下の11.1億米ドルに落ち込み、ザ ロンドナー マカオへと変わるための再開発工事が現在進められている。マステーブル・ドロップは16.1億米ドルへとほんのわずかな減少となり、スロット掛け金は10.2億米ドルへと10.5%減少した。
サンズ・チャイナの他のマカオ施設、サンズ・マカオとザ・プラザマカオでは、マスマーケットの好調な掛け金総額に後押しされて収益はそれぞれ6.9%と17.4%の増加となった。
マカオ施設全体の調整後プロパティEBITDAは前年比で横ばいの7.55億米ドルだった。
シンガポールでは、マリーナベイ・サンズのカジノ収益が5.53億米ドルへと3.9%増加し、VIP取扱高は72.7億米ドルへと微増、そしてマス取扱高もまた微増の14.2億米ドルとなった。調整後プロパティEBITDAは3.8%増の4.35億米ドルとなった。
業績にコメントしたシェルドン・アデルソン会長兼CEOは、同社は今もフォーシーズンズ マカオやザ ロンドナー マカオのハイエンドスイートの2020年のオープンなど「アジアでの将来の成長の機会に熱意」をもっていると述べ、
「さらに先を見ると、シンガポールのマリーナベイ・サンズ拡張によって、当社のスイートの受け入れ容量が40%増加し、最先端のエンターテイメントアリーナが導入される。その両方が将来の成長に貢献してくれるはずだ。また、日本の大阪を含む新市場でのさらなる開発の機会を積極的に追い求めている」と付け加えた。