ゲーミングの世界的大手、シーザーズ・エンターテインメントと同業のカジノ事業者、エルドラド・リゾーツが最終的な合併合意に達したことを発表し、エルドラドがシーザーズの自己株式を除く発行済み株式全てを取得する。これはゲーミング業界史上最大の企業買収の一つとなる。
173億ドルの歴史的取引が行われたのは、億万長者の投資家、カール・アイカーン氏が昨年末から初めた一連の株式取得を通じてシーザーズの28.5%の株式を取得し、売却の可能性を初めて示唆してからたった数か月後のこととなる。
合併合意の条件の下で、エルドラドは1株当たり合計12.75ドルを支払う予定で、シーザーズ株一株当たり現金8.4ドルとエルドラド株0.0899株が割り当てられている。これは、現金72億ドルに加えて約7,700万株のエルドラド株、そしてシーザーズの純負債残高に相当する。
エルドラドとシーザーズの株主は、それぞれが合併会社の発行済み株式のおよそ51%と49%を保有し、取締役会はエルドラドの現取締役6名とシーザーズの5名を含む11名のメンバーで構成される。
エルドラドのトム・リーグCEOとゲイリー・カラノ会長がリノに本社を置く新会社を率いることになるが、「世界的に有名なブランドの価値と世界のゲーミング業界を率いてきた実績を最大限利用するため」に、シーザーズの名前を残す予定であると両社は合同発表の中で述べた。
リーグ氏は、投資家報告会の中で新会社が持つ合計60強の施設の一部は、合併完了前に売却される可能性があることを明かした。その中にはラスベガス・ストリップにあるシーザーズ施設の一部が含まれている。また、新会社が国際戦略の見直しを行う可能性が高い事も示唆しており、その中には韓国の仁川に建設中のシーザーズ・コリア、そして日本でのIRライセンス獲得への取り組みが含まれている。「国際戦略についてはまだはっきりとした決定は下していない。世界での機会は、その方向に向かうのであれば巨大で素晴らしいものでなくてはならない」と同氏は語った。
シーザーズとエルドラドの合併は、2020年年初までに完了することが予想されているが、まずは複数の州の議会の承認、そして株主からのゴーサインを得る必要がある。