マイケル・チアーズ氏がIGTのアジア・セールス部長の役割を果たすために、ほんの数カ月前にマカオに到着した。ゲーミング業界で幅広い経験を持つチアーズ氏がInside Asian Gamingに個人そしてプロとしてのインサイトを共有してくれた。
オスカー・ギハーロ (OG):経歴について少し教えていただけますか?
マイケル・チアーズ(MC): オーストラリアのニューサウスウェールズ州西端にある鉱業の町、ブロークンヒルで生まれ育ちました。そこで学生生活を過ごし、18歳でその場所を離れてシドニーへと移り住み、料理人の修行を始めました。本業はシェフです。シドニーで料理人となり、人口2万人ほどのブロークンヒルから400万人の大都市へと行ったことは間違いなく大混乱でした!
OG:ゲーミング業界で働くことになったきっかけは?
MC:大学へ勉強しに戻って、そこで専攻したのが労務管理でした。それがきっかけとなって、大手雇用主への就職の機会を得ました。その際、アデレードへと引越し、そこでオーストラリアホテル協会(AHA)が料理の経験を持つ人、人材管理または労務のスキルを持つ人を探していたのです。だから、修行の途中でそのポジションを得られたことは幸運でした。
そこでの役割の一部としてAHAのたくさんの会員さんに対応してきて、AHAからメンバーシップマネージャーのポジションを提示されました。南オーストラリアのAHAは当時、ゲーミング機器の導入にむけてロビー活動も始めていました。法律を通過させることに関して、当時の私の役割は、ホテルやクラブの会員にゲーミング環境の扱い方法を教えることでしたので、たくさんの講義を開き、事業の製造サイドに対する私の取り組みが認められ、結果的にその中の一社であるオリンピック・ビデオ・ゲーミングからポジションをオファーされました。
長年そこで働いた後、その会社はIGTに買収されました。そこから私とIGTのつながりが始まりました。私は、南オーストラリア州のマネージャーを経て、ノーザンテリトリー州、そして西オーストラリア州でも働きました。2008年、新しい役割に就き、IGTと共にシドニーに移りたいかどうかを聞かれました。それが、私が引き受けたシステムセールスのナショナルマネジャーというポジションでした。
OG: そこからアジアへ移ってくることになったのですか?
MC: アジアの全ての流通を担当するシンガポールをベースにしたチャンネル・セールス・マネジャーという職をオファーされました。また、大手顧客のいくつかを直接担当するという役割もありました。その役割は少し変化し、結局マカオ以外の全ての一次顧客を担当することになりました。
そして、会社の再編成があり、以前の部長がマカオから異動し、私にマカオに移って部長職を引き継ぐことに興味はあるかと聞かれました。会社はアジアに限って言えば、メジャープレイヤーの数が多く、ある種最高峰のゲーミング中心地として認知されているマカオのそのポジションに重点的に取り組みたいと思っていました。かくして私はそのポジションを引き受け、5カ月前にここに移ってきました。
OG: 最初のころのマカオの印象は?
MC: 古いものと新しいものがミックスされた非常に面白い場所だと思いました。とても刺激的な場所だと。プレイ量が非常に興味深かったです。たった30時間ほどの滞在時間の中でのプレイ量。テーブルとスロットの収益の組み合わせも、私がこれまで扱ってきた他のどのマーケットとも異なりました。だから考え方を少し調整する必要がありました。
当時頭に浮かんだことの1つが、質の高いゲーミングシステムを持つことの重要性だったと思います。なぜならそういったボリュームの多さや多様性のある人々を扱っているのですから、それを可能にする非常に質の高いゲーミングシステムが必要になります。
OG:10年後はどこで働いていると思いますか?ゲーミングに一生従事しますか?
MC: はい、そう思います。この業界に入って25年になりますが、この仕事が大好きなんです。やりがいがあります。簡潔に答えた方が良いですか?5年後もまだこの業界にいるでしょうね。
OG:これまで成し遂げたことで一番誇りに思うことは?
MC: オーストラリアのナショナルシステムセールスに異動した時、そこはIGTがフォーカスしていた地域ではなかったために、12から14の顧客しかいませんでした。そして私たちはそのマーケットを刺激して、マーケ ットに合うよう商品をローカライズしました。新型システムを最大限活用して、より大きなオペレーターとの事業を成長させるとともに、小さなオペレーターがそれを利用できるようにしました。私がその職を離れる時には、顧客数は200以上になっていました。
OG:今後数年間でゲーミング業界が直面する課題は何だと思いますか?
MC: 業界として、それぞれの国の規制当局や政府と協力して、商品が分別のある形で使用されることを確実にするという責任を常に頭に入れておく必要があると思います。おそらくより喫緊の課題となるのは、管轄区域や携帯電話から賭けを行う力があるかどうか次第で、今日では携帯電話でギャンブル商品にアクセスできる可能性があるという事実です。
また、10年、15年、20年後にプレイヤーはどうなっていくのか?伝統的なゲームもまだあるでしょうが、顧客ベースを広げるためにも、プレイヤーが接続できるデジタルスペース上のはるかに大きな多様性に気を配っておく必要があります。だからその国の規制の範囲内でのイノベーション、多様性、携帯電話のような現代のプラットフォームの活用ということだと思います。それが、我々が取り組まなければならない課題です。
OG:仕事以外では何をするのが好きですか?
MC: 友人たちと外食するのが好きです。それはある種私の料理人としての過去があるためです。普段は、競馬が趣味です。マカオジョッキークラブから徒歩圏内だというのは恵まれていると思います。オーストラリア人として、オーストラリア式フットボールやクリケットなどの伝統スポーツも楽しんでいます。