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2021 年 12月 IAG JAPAN 83 日本 氏兼氏は、名古屋や広島国税局長を経て、国立印刷局長を 務めた。国立印刷局は紙幣や旅券、証券類などを印刷する独立 行政法人。ちなみに、新一万円札の肖像となっている渋沢栄一 氏は、1872年に現在の国立印刷局局長にあたる大蔵省紙幣寮 の初代紙幣頭として、日本の近代的貨幣制度整備に尽力した 人物である。 氏兼氏と同じく常任委員である渡氏は、日本精神科病院協会 (DPAT)の事務局の顧問。ギャンブル依存症などに係る問題で 医学的な知見が求められている。 非常勤委員である遠藤氏は、京都大学大学院卒で、専門は エネルギー政策、セキュリティ・リスクガバナンス。現在は、慶應 義塾大学大学院政策・メディア研究科の特任教授。 同じく非常勤委員の樋口氏は、元警視総監(2011〜2013年) であり、その後、在ミャンマー全権大使(2014〜2018年)を務め た。 このように見ると、カジノ管理委員会は、法律、金融、医学、セ キュリティ・リスク管理、公安など、同委員会に必要な分野のプ ロフェッショナルを揃えていることがわかる。同委員会は、カジ ノ事業の免許や、事業者に対する監督、依存防止の対策など、 政府の掲げる「世界最高水準のIR」整備に必要不可欠な機関 であるだけに、今後、その機能を十二分に果たしてくれることが 期待される。

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