Inside Asian Gaming

2021 年 11月 IAG JAPAN 65 1-10 border restrictions with mainland China. Signs of recovery earlier this year have also been stymied in recent months due to a handful of COVID-19 spot fires, the most recent seeing just 8,159 visitor arrivals into Macau for the whole of the October Golden Week holiday, down from almost 1 million arrivals during the same period in 2019. Wynn’s Macau casinos have generated losses of US$75 million and US$50 million respectively in the first two quarters of 2021, coming off a US$928 million loss in 2020. But Maddox has remained bullish on Macau’s prospects throughout, telling investors in August that he expects the mass gaming segments to return stronger than ever. “It’s hard to predict but when we witnessed what happened with Golden Week in May, it just shows that the pent-up demand is very real and I think everywhere around the world the demand for what we do is stronger than it’s ever been,” he said. “Clearly [the VIP segment] won’t come roaring back to what it was, but I fully anticipate that what you’ll see on the premium mass and mass side will be stronger than it’s ever been.” It is with this in mind that Wynn Macau has been converting some of its old VIP areas into premium mass space, echoing similar moves being made by other operators in the SAR. The company also completed an expansion of its peninsula property, adding more mass gaming space, two new restaurants and 7,000 square feet of new retail space. A much more substantial Phase 2 expansion of Cotai IR Wynn Palace remains on hold due to COVID-19, but will include more hotels as well as non-gaming attractions once work gets underway, likely in 2022. No doubt Maddox will be looking for smoother waters by then. マット・マドックス 取締役兼CEOは、今後数年の間に「船長」と呼 ぶに充分ふさわしい人物になるかもしれない。2018年2月にトップ の座に就いて以来、荒波の中ウィン・リゾーツという船の舵取りをし てきた。マドックス氏は、創業者であるスティーブ・ウィン氏の数々のセク ハラ疑惑の後、大きく傷ついたウィン・リゾーツの評判へのダメージ 回復にCEOとしての最初の2年間の大半を費やした。スティーブ・ウ ィン氏はその事件によって取締役を辞任し、最終的には会社の持株 全てを売却するに至った。 マドックス氏の監視下で、取締役会は包括的な大改革を進め、多 くの「古株」に別れを告げ、かなりの数の女性を加えるなど、より多 様なメンバーを追加した。内情を知る人は、新生ウィン・リゾーツは 正真正銘「2021年の選ばれる雇用主」だと言う。 しかし、マドックス氏が自分の仕事を楽しむ余裕はほとんどない。 2021年2月、マカオ当局は、コロナ禍のため、マカオ内の全ての カジノの15日間休業を命じた。その中には、ウィン・リゾーツ子会社 のウィン・マカオが運営する、ウィン・マカオとウィン・パレスが含ま れていた。マカオのカジノはそれ以来休業はしていないものの、今 も続く中国本土との入境制限によって、来場者数は厳しい状況が 続いている。今年に入って回復の兆しが見られていたものの、新型 コロナ感染の飛び火が数回あったために、ここ数カ月は回復が進 んでおらず、10月の大型連休全体で見てもマカオへの訪問者数は 8,159人のみで、2019年の同じ期間の約100万人には遠く及ばない 結果となった。 ウィン・マカオのカジノは2021年第1、第2四半期にそれぞれ 7,500万米ドル（83億円）と5,000万米ドル（55億円）の損失を生み出 した。2020年は9億2,800万米ドル（1,020億円）の損だった。 しかし、マドックス氏はその間もずっとマカオの見通しに関して強 気の姿勢を崩さす、8月には投資家に対して、マスゲーミング部門が かつてないほどに好調な状態に回復すると予想していると述べて いた。同氏は「予測するのは難しいが、5月の大型連休に起こったことを 見ると、累積需要が本物であることを示しており、世界中のどこであ っても、我々がしていることへの需要はかつてないほどに高まって いる。明らかに（VIP部門は）、前の状態に戻ることはないが、皆様が プレミアムマスとマスサイドで目にするものは、かつてないほどに好 調になると心から期待している」と述べている。 これを念頭に、ウィン・マカオは旧VIPエリアの一部をプレミアム マスへと変更しており、マカオの他の事業者の動きに同調している。 同社はまた、半島側にある施設の拡張も完了させており、マスゲ ーミングエリアを広げ、新しいレストラン２軒と７千平米の新たなシ ョッピングエリアを加えている。 さらに大規模なコタイのIR、ウィン・パレス第２フェーズ拡張計画 は新型コロナによって保留になってはいるが、工事が進めば、おそら く2022年にはさらに多くのホテルやゲーミング以外のアトラクショ ンが追加される。 マドックス氏がその頃までには穏やかな波を求めているのは間 違いない。