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2021 年 9月 IAG JAPAN 43 日本 夢洲の活用が決定したからと言って全てが上手くいっている わけではない。大阪市営地下鉄を民営化して発足した大阪メト ロは、2018年11月に総工費1,000億円ともいわれる夢洲駅タワ ービルの建設計画を発表した。だが、これは収益の見込みが立 たないと予想され、すぐに撤回、後に再検討となった。 また、大阪市は今年4月、夢洲駅(仮称)に隣接する駅前エリ アにおいて、プロポーザル方式により、土地を借地し、建物の整 備・運営を行う民間事業者を募集したが、応募者が0という結果 になっている。この公募が行われた理由について市は「万博の 玄関口の1つとなる、現在建設中の夢洲駅(仮称)から万博会場 へと至る駅前エリアについては、万博の開催に向けて多くの来 場者を迎え入れる施設として整備するだけでなく、万博閉幕後 も万博のレガシーとして恒久的に活用される施設が整備され るよう、大阪市において効率的に整備する方法を検討するよう、 公益社団法人2025年日本国際博覧会協会より依頼を受けたこ とによるもの」と説明している。 これらの「噛み合わなさ」は、1つの要因に帰結する。つまり、 「夢洲へのIR整備が確定しない限り、この場所ではいかなるビ ジネスも成功しない」と皆が考えているということである。 当 然、そのような場所に多額の投資をする事業者などいるわけも なく、国によるIR区域認定を受けるまではどのような事も進ま ないのは当たり前の話だ。 大阪・関西万博の開催は確定しているため、大阪市としては 上下水道や通信インフラ、地下鉄延伸などは進めざるを得ない

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