Inside Asian Gaming
2021 年 6月 IAG JAPAN 41 2 020年、世界経済はキャッシュレス方式による決済取引 数で過去最高を記録した。中国では、モバイル決済が 全取引の84%を占め、米国では全決済の72%が現金 以外で行なわれた。 キャッシュレス決済とデジタルウォレットは、決済チャネ ルとして消費者取引においてトップを走っており、より迅速かつフ リクションレス(摩擦のない)な支払いソリューションを提供し、全 体的な顧客体験を向上させている。常連客が日常生活において、 モバイル決済やE-ウォレット(電子マネー決済)を利用することに慣 れつつある中、現在、カジノ業界において、キャッシュレス決済の利 用や受け入れが限定的であることは、IR業界の将来の収益を生み 出す原動力にマイナスである可能性がある。これは特に、テクノロ ジーに精通した若い世代の顧客に関係しており、彼らはすべての カスタマーサービスおよびオペレーションにデジタルファーストの アプローチを求めている。 イノベーションの活用 IRセクターは、これまで、業界のための技術発展の利用に対応 してきた。TITO(チケットイン/チケットアウト)システムを初めて導 入したのは20年近くも前で、コイン無しのスロットマシンは常連客 にとっての利便性を高め、カジノ運営者にとっては運用コストの削 減、盗難や紛失のリスクの軽減につながった。その後、電子カジノ ゲーミングシステムにおけるカードベース技術の台頭が続いた。こ れは特に金額情報を保存し、プレイヤーのアクティビティと評価を 追跡し、メンバーシップリワードを表示するマイクロプロセッサとチ ップ技術を内蔵した電子カードの間で機能強化につながった。 モバイル技術の出現により、次世代のキャッシュレスゲーミング 技術が登場している。これが、既存の電子カードシステムを、デジタ ルの同等システムによって効果的にアップデートする。ゲーミング テクノロジー企業は、APIとして顧客のスマートフォン端末にダウン ロード可能な安全なログイン機能付きデジタルウォレットを開発し てきた。デジタルウォレットは、プレイヤーのカジノ/ロイヤリティ会 員アカウントにつながっており、スマートフォン端末のAPIを通じて、 送金、ベッティング、換金などの機能をデジタル化する。プレイヤー は自分のスマートフォンにあるデジタルウォレットAPIを使用し、ス ロットマシン、テーブルゲーム、スポーツくじをプレイすることがで オールイン・デジタル
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