Inside Asian Gaming
2021 年 4月 IAG JAPAN 85 ンディアナ州、ネバダ州など21州に及び、他に17州は合法化の手 続きを進めている。小林氏が続ける。 「にわかには信じられないかもしれませんが、ロシアの地下卓 球リーグに、アメリカから年間500億円以上が賭けられている。ゴ ルフのUSPGAより売れています。ひとたびベッティングの対象とな れば、映像・スタッツを含めて関心が飛躍的に高まり、コンテンツと しての価値も生じる。日本における中央競馬の人気を思い浮かべ れば合点がいくでしょう」 日本版スポーツベッティングの芽ばえ 日本でも、その芽は出始めている。日本企業として初めて FSTA(米国ファンタジースポーツ協会)に加盟している「Neo S p o r t s」は2 0 1 9年5月にプロバスケット「B . L E A G U E CHAMPIONSHIP 2018-19」で予想アプリを使った「FANTASY ONEonONE」を企画。同年7月には国内最古の歴史を誇る「第87 回日本プロゴルフ選手権大会」を予想ゲームの対象にした。さら に昨年は読売新聞社と共催し、巨人戦リアル予想ゲーム「INNING KING」を実施してもいる。 一方、日本企業で唯一、英国でベッティングライセンスを取得し ている「ジャングルX社」はこの3月14日にスポーツ庁協力の下で 「3×3.EXE PREMIER powered by INNOVATION LEAGUE」を開 催。ファンとチームの双方向性を高めるファンタジースポーツで通 常の観戦とは違う没入感や熱狂性が体験できたという。これら一 連の試みは新たなライブ観戦を提案するもので、いわば近い将来 への布石。国内のスポーツ産業に風穴を開けようとしている。 アカデミアの認識 スポーツベッティングの第一人者で、大商大の谷岡一郎学長(ア ミューズメント産業研究所所長)は「日本の法体制のスピードでは いつになるのか。ただ、コロナ禍がひとつの転機になると思う。JRA など公営競技はネット投票の充実で売り上げを伸ばしている。そ の一方で国内の違法賭博は増加し、摘発件数も増えているのが実 情。賭博は制限するよりコントロールするというのは世界の流れ」 と話す。 スポーツベッティングに賭けられている金額は世界で300兆 円以上とも言われる。不法を加えると想像もつかないが、このポ テンシャルを考えると、日本がほったらかしにするのはもったいな い 。 日本
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