Inside Asian Gaming
2021 年 4月 IAG JAPAN 73 コラムニスト 度に異議を唱えている。この問題が続く一方で、2021年、POGOか らの収益は下がっていることだろう。これは市場から事業者を追い 出してきた取り締まりや他の要因だけが原因ではなく、業界の現 在の経済状況も関係している。現時点の予想は、2021年にPOGO の収益が約5割減少することを示している。 POGO労働者に関する問題も残る。フィリピン国内のPOGO労 働者、特に中国人労働者の数がその原因だ。2020年、労働雇用省 (Department of Labor and Employment:DOLE) は、過去2年間 で20万人以上のPOGO労働者に対して外国人労働許可証が発行 されたと述べた。そのうちの6割以上が2019年に発行されたもの ではあるが、4割が2020年に発行されたというのは注目に値する。 この数字は、PAGCORが報告した数よりも多く、おそらく人身売買 の問題を暗示している。 外国人労働者がこれらの業務に間に合わせるよう次々とフィリ ピンに流れ込んでくるために、なおも雇用面に問題が残る。最近の レポートでは、異なるサービスプロバイダ間の労働者の「売買」と いうものさえもが詳しく説明されている。ここに関わっている大半が中国 人ではあるものの、アジアの他の地域から来ている人たちで、拉致につな がっていることさえもある。最近の報道では、POGO業界内で取引された 台湾人が取り上げられていた。 POGO業界が進化し続ける一方で、大規模な改革の実施が必要だ。政 府は資金洗浄に歯止めをかけ、税制改革を進めるための正しい措置をと り続ける。フィリピンであろうがどこであろうが、ゲーミング事業者は、ゲ ーム粗収益に課された税金の支払いを逃れるべきではない。 しかしながら、それよりもPOGOを悩ませ続ける心配事というのが、雇 用と人身売買の問題だ。PAGCORにとって、POGOは実店舗のカジノに加 えて強力な収入源となり得るが、責任ある事業者やサービスプロバイダが 行うような信用ある事業になれるよう正しい方法で管理される必要があ る。これが実現するまで、悪評は続いていくことだろう。そしてフィリピンで のオンラインゲーミングに関する様々な問題が原因で、世界中の他の市場 は、収入源としてオンラインゲーミングを開始することを思いとどまること になるだろう 。
Made with FlippingBook
RkJQdWJsaXNoZXIy OTIyNjk=