Inside Asian Gaming

2021 年 2月 IAG JAPAN 83 日本 本にそのまま入れても絶対にうまくいかないと思います。 上村:シンガポールやマカオでは成功しているように見えますが。( シンガポールでは2005年には4.1%だった依存症有病率が2017 年には0.9%に、マカオでは2003年に4.4%だったが2016〜19年 には2.5%に低下している) 西村: 彼らがその数字を出せたのは、公務員の入場禁止や、国 民への入場料を課すなど極めて社会主義的な管理をRGの名の下 に行なって(国民がカジノへ行くのを抑制して)いるので国民の有 病率は減少します。ただ、例えばマカオに関しては、(数多く来る)香 港や中国本土からの客の有病率には暗数があります。 上村:入場料の設定で依存症の抑制は可能なのでしょうか? 西村: シンガポールも入場料については効果が出せていませ ん。だから値上げすると言っている。実際のところ、世界的に見て も多くの研究者が入場料の効果を支持しておらず、むしろ「入場料 はリスク」だと考えている研究者も多いです。入場料分を取り返さ ないと勝てないという考え方になる。それが逆に感覚を狂わせる のではないかと考えるわけです。 また、入場料は一部の抑止力にはなるが、(入場料を払って)カ ジノの中に入った人のリスクを増やすということに関してあまり議 論されていません。日本はまだそういうところが理論的・科学的で はない。日本は、構造的な取り組みをしていかなければならない と思います。 上村:日本も国民には入場料を設定する方針ですね。 西村: 日本も、政府が(入場料設定を)やると言った以上やります が、入場料をどういう風に街の強化、福祉など問題のおきにくい部 分に再分配するかということを考えないといけない。入場料6,000 円の内、3,000円という自治体の取り分をどう使うかが、誘致する 自治体に問われています。 上村:自己排除プログラムは有効なのでしょうか? 西村: 自己排除プログラムは一定の効果はありますが、あくまで自

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