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2021 年 2月 IAG JAPAN 45 日本 As the bird flies, Osaka city and Wakayama city are within 60km of each other. How will this proximity affect the outcome? 大阪市と和歌山市は直線距離にしてわずか 60km。果たして、この近隣さがどう出るか。 今 年の1月は日本版IRにとってはエポックメー キングな1カ月になった。北海道が2020年代 後半開業の第1フェーズに参戦しない意向を 伝えたのは残念だったが、和歌山では事業 者公募の提案審査書類の提出を締め切り「 サンシティグループホールディングスジャパン」と「クレアベストニ ームベンチャーズ」の一騎打ちとなった。結論は3月末にも出る。 また長崎も事業者の公募を開始。早くから参戦を表明してい る「カジノオーストリアインターナショナル」の他に、最近「モヒガ ン・ゲーミング&エンターテインメント」との連携を発表した「オシ ドリインターナショナル」、「ゲット・ナイス・ホールディングス」と連 携した「カレント」、「パルトゥーシュ・グループ」と連携した「ピクセ ルカンパニーズ」、日本のTHE NIKIと連携した台湾のチャウフー ( パークビュー)グループに加え、新たに少なくとも3者が関心を示 しているといい、こちらは8月に審査結果が出る。 さらに”真打ち”の横浜がようやく事業者公募をスタートさせた。 これにより、すでに「MGMリゾーツ」と「オリックス」のコンソーシ アムで一本化している大阪を含めた4地域が出そろい、国が最大3 カ所としている自治体のIR誘致レースが本格化することになった。 止まっていた時間が動き出したわけだ。これほどダイナミックな 動きがあったのはいつ以来だろうか。 しかし、4地域とも一長一短があり、現時点ではどこが生き残り、 どこが脱落するかは予想しずらい。多く残る4地域についての疑問 の中で、和歌山の一番大きな疑問は、大阪に近くてもIRの誘致は 成功が出来るかどうかだ。 直線距離60KMの大阪と和歌山の関係は? 大きなポイントなりそうなのが今年8月の任期満了にともなう横 浜市長選だ。国の基本方針によれば、自治体はまず事業者を選び、 次に、その事業者と共同でIR「区域整備計画」を作成。議会の議決を 経て国に認定申請をする。申請期間は今年10月から来年4月末ま でとなっており、横浜市の場合、否が応でもIRが選挙の争点となる。 もし、反対派が当選した場合はIRが幻になる可能性があり、その 場合は大阪、和歌山、長崎の3地域で決まることになりそうだ。 しかし、横浜が残った場合(反対派が多いため、その可能性は60 %か)は引き続き4地域の争いとなり、今度は別の論点が浮上する。 それが今回のテーマでもある大阪(夢洲)と和歌山(和歌山マリーナ シティ)の関係性だ。
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