Inside Asian Gaming

2021 年 2月 IAG JAPAN 21 S heldon Adelson lived the American dream, from sleeping on a tenement floor as a child to revolutionizing Las Vegas with The Venetian and the convention- driven business model, becoming a multimillionaire in the process. For most people that would have been enough. But the Las Vegas Sands founder produced a more spectacular second act in Asia. In his 70s and 80s, Adelson led Macau’s transformation from what he called “a seedy backwater” to the world’s leading casino destination, far surpassing the Las Vegas Strip’s gaming revenue. That transformation was centered on Adelson’s brainchild, the Cotai integrated resort hub. In Singapore, Adelson developed Marina Bay Sands, the industry’s most admired integrated resort and in most years its most profitable. Asia made Adelson wealthier faster than anyone in human history, elevating him to the leading figure in early 21st century gaming and a political kingmaker in the US and Israel. From humble beginnings, he placed 28th on the Forbes 2020 billionaires list with a fortune of US$26.8 billion – surviving in the process a bout of non-Hodgkin lymphoma that sidelined him for much of 2019, only to bounce back at age 86. “Mr Adelson cemented his place in the gaming industry well before LVS landed a license in Macau and Singapore,” Global Market Advisors Government Affairs Director Brendan Bussmann said. Bussmann worked in a similar position for LVS and, like many past and current Sands employees, refers to the founder as Mr Adelson. “He fundamentally changed the paradigm in Las Vegas.” Thomas Arasi, who presided over the opening of Marina Bay Sands, recalls Adelson telling him, “I don’t look at businesses the way everybody else does. I look シ ェルドン・アデルソン氏は、アメリカンドリームを 叶えた人物だ。借家で眠っていた幼少期から、 ザ・ベネチアンとコンベンション主導型ビジネス モデルによってラスベガスに革命を起こし、その 道のりの中で巨万の富を築いた。ほとんどの人 にとってはそれで十分だろう。しかし、ラスベガス・サンズのこの創 業者はアジアでさらに目を見張る第二幕を作り出した。 アデルソン氏は70代と80代の間に、マカオが、彼が呼ぶところ の「怪しげなよどみ」から世界トップのカジノ観光地へと変身する 動きを先頭に立って引っぱった。その結果マカオはラスベガス・ス トリップのゲーミング粗収益を大きく上回るまでに成長した。その 変身は、アデルソン氏が発案したコタイ統合型リゾートハブを中心 に展開した。シンガポールでは、アデルソン氏は業界で最も称賛さ れ、そしてほとんどの期間、最も大きな利益を生み出したマリーナ ベイ・サンズ(MBS)を開発した。アジアが、アデルソン氏を人類の歴 史の中で最も早いスピードで豊かにし、21世紀ゲーミング界の主 役へと昇り詰めさせ、米国とイスラエルで政界の実力者にさせた。 控えめなスタートから、2020年には資産268億米ドルでフォーブ ス長者番付の28位にランクインした。2019年の大半の期間、彼を 欠場に追い込んだ非ホジキンリンパ腫との闘いを生き延び、86歳 で復帰した。 グローバル・マーケット・アドバイザーズの政府担当ディレクタ ー、ブレンダン・バスマン氏は「アデルソンさんは、LVSがマカオとシ ンガポールでライセンスを得るずっと前にすでにゲーミング業界 での地位を固めていた」と述べた。バスマン氏はLVSで同じポジシ ョンを務め、過去にサンズで働いたことのある、または現在働いて いる多くの人と同じく、創業者のことをアデルソンさんと呼ぶ。「彼 はラスベガスにあったパラダイムを根本から変えました」。 マリーナベイ・サンズのオープンを取り仕切ったトーマス・アラ シ氏は、アデルソン氏から以下のような言葉を掛けられたという。「 他の人と同じ方法でビジネスを見ていない。違う見方をして、どう すれば良くなるか、大きくなるか、そして価値あるものになるかを 見つけ出すんだ」。 現在マニラにあるブルームベリー・リゾーツとソレアリゾート& カジノの社長兼COOを努めるアラシ氏は、「MICE、小売などゲーミ ング以外の要素をかつてない規模で取り入れたシェルドンの動き は、素晴らしいほどに勇気あるものだったとしか言いようがありま せん。（中略）真の先駆者です」と付け加えた。 アデルソン氏の統合型リゾートのコンセプトは旅行業界での経 験から生じたものだ。彼自身の見積りで、アデルソン氏はそのキャ リアにおいて300もの事業を営んできた。ボストンの街角で新聞を 売り歩くところから始まり、後にラスベガスとイスラエルで最も読 巻頭特集