Inside Asian Gaming
2021 年 1月 IAG JAPAN 9 www.asgam.jp 1年間というのは ベン・ブラシュク 編集長 あなたのフィードバックが必要です。 コメントは bb@asgam.comへ 送ってください。 社説 テ ンポが早いこの業界では1年間は長く感じないが、間違 いなく2020年はいつもよりも長く感じた。 クリスマスやお正月の休みの間に考えてみたら、昨年の この時期は一番大きな心配が「時間」だった。その時ま だ新型コロナウイルス感染症の心配は想像すらしていなかった! 実際は、2019年最後の数週間と2020年最初の数週間は世界の主な カジノ市場は基本的に通常営業が続いていた。マカオでは2019年12月 に待望のマカオLRTタイパ線が開通し、最初の3日間にのべ60,000人の 乗客を載せて走った。 皮肉にも、マカオ当局は2020年の初めに、「オーバーツーリズム」を 解決するために観光税を導入することを議論していた。 振り返ってみ ればそのような課題は羨ましい限りであり、観光税の提案は5月に廃案 となった。 フィリピンではカジノ業界をよりうまく規制するべきという、中国と 地元の反対派からの圧力の中、フィリピン・オフショア・ゲーミング・オペ レーターズ(POGO)業界が注視され続けた。このプレッシャーはカンボ ジアが2020年1月にオンラインゲーミングライセンスをキャンセルした ことに続いたもので、急増した外国人POGO労働者の抑制も含まれて いる。また、2019年にPOGOから1億2,600万米ドル(約138億円)の税を 徴収したにも関わらず、税収を増やす様々な提案も含まれていた。 一方、フィリピンの2019年の最後は良い結果ばかりであった。オカ ダ・マニラが過去最高のGGRや来場者数を達成し、ソレアリゾート&カ ジノはGGRやマスマーケットで記録更新となった。 日本では、2020年の年明けごろには北海道と千葉県がIR誘致の断 念を正式に発表し、その後北九州も同じ発表をした。新型コロナウイル ス感染症の拡大が引き起こした数少ない良いことの一つとして、IRの進 行が遅れたおかげで北海道が大事な環境アセスメントをクリアし、IR誘 致を考え直す可能性があるという話が出ていることがあげられる。 IR誘致を続けている都道府県では、和歌山が2019年12月に2020年 秋までに事業者を選択する意思を表明し、長崎はIR実施方針案を公表 して、春に事業者の公募を開始する予定だった。2021年1月に開始予定 だった国のスケジュールが10月に先送りされたことに合わせて、和歌 山も長崎もまた、事業者公募が延期された。 新型コロナウイルス感染症に関しては、IAGの2020年初めての記事 は次の12カ月の前兆となった。 マカオのゲーミング監察協調局と衛生局の職員らが、感染拡大防止 のための新しい対策について話し合うために、現地の6つのカジノコン セッション保有者の代表らと会った後の1月5日、年末年始の休み明け に、このことを報告した。 その記事では、「この話し合いが最近の中国武漢市のウイルス性肺 炎流行に応じて行なったもので、マカオの在住者がウイルスに感染し、 マカオに帰ってきた可能性がある」という内容であった。 それからちょうど1カ月後、マカオにある41のカジノ全てが15日間休 業した。この頃には新型コロナウイルス感染症がこの業界へどのよう な影響があるかが明らかになった。 2021年がより良い一年になることを祈るばかりだ。
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