Inside Asian Gaming
2020 年11月 IAG JAPAN 63 2020 パワー50 vital to Sands’ mass market appeal. Sands China derived 58% of its profit from mass tables last year, with another 26% from hotels and mall operations. Venetian Macao remains the top casino attraction in town for tourists, with additional wow factor from Parisian’s half-scale Eiffel Tower and Londoner’s attractions to come. The upgrades in room product are designed to strengthen Sands’ appeal to premium mass customers, the sweet spot for all casino operators that’s forecast to lead COVID recovery and future growth. Once these projects are done, there may be little space left for Wong to utilize his property development chops. That’s where his other prior experience becomes relevant. Wong began his career in the Hong Kong government in 1975, moving up the civil service ladder and, by 1985, becoming a member of key bodies associated with Hong Kong’s 1997 handover. He worked with mainland counterparts on key issues including the Basic Law governing the relationship between the city and the mainland – Macau has its own Basic Law that took effect with its 1999 return to Chinese sovereignty – and the actual handover procedures. Following Hong Kong’s transition, Wong served as a deputy to China’s National People’s Congress from 1997 to 2013. With Macau’s gaming concessions due for retendering in 2022, Sands China can use Wong’s skill in navigating sensitive political matters. The current trade tensions between the US and China may abate but American gaming concessionaires in Macau will be far more controversial in the next round than they were in 2002, when Macau welcomed the industry expertise and credibility US operators brought. In these changed times, Sands China is fortunate to have Wong on its side. グランド・チャム氏 がサンズ・チャイナ最高執行責任者の役職を引 き継いだものの、ウィルフレッド・ウォン氏はこれまで以上に忙しい と話す。ウォン氏はラスベガス・サンズの子会社で、昨年はグループ のEBITDAの59%、純収益の63%を生み出したサンズ・チャイナの社 長、そしてマカオトップの座に留まっている。 マカオでのサンズ・チャイナのトップの座を維持するためにやる べきことはまだたくさんあり、そのミッションは今、これまで以上に 重要なものになっている。新型コロナの時代、ラスベガスでの回復 の遅れ、そしてシンガポールのマリーナベイ・サンズでの会議の重 要性を考えると、マカオはLVSにとって最速で正常の状態に戻るチャ ンスが最も高い場所だ。 22億米ドルをかけたサンズコタイセントラルのザ・ロンドナーへ の改装、そして星回りの悪いフォーシーズンズサービスアパートメン トを290室のスイートに改装する工事が新型コロナによる経済悪 化の中でも続けられている。消費者が戻るにつれて、サンズは再考 された施設のさらなるコンポーネントを展開し始める予定で、その 中には、こちらも当初はサービスアパートメントとして意図されてい たセントレジスタワーにある370室のスイートなどがある。また、以 前のホリデーインを600室のスイートのロンドナー・ホテルへと改装 し、MICEおよび小売りスペースを追加する予定もしている。 改装の他に、サンズはゲーミングエリアもアップグレードし、ザ・ パリジャンにはスイートを追加した。こちらはターゲットとする中間 層に留まらない驚くべき人気を見せている。 これら全ての変更が行われてもなお、サンズ・チャイナはコタイ にあるゲストルームの半分以上を所有している状態になる。しかし ながら、SJMホールディングスがグランド・リスボア・パレスをオー プンすると、そのシェアは49%に低下する。小売りに関しては18万 6,000㎡近い面積により、さらに大きなシェアを持っており、その全て がコタイの中心部で相互につながっている。 客室、小売、そしてテーマホテルの3つが、依然サンズのマス市 場へのアピールにとって極めて重要な要素となっている。サンズ・ チャイナは昨年、その利益の58%をマステーブルから生み出してお り、別の26%がホテル及びモール事業からであった。ベネチアン・ マカオは、現在も観光客にとってマカオナンバー1のカジノアトラク ションの座をキープしており、パリジャンにある1/2サイズのエッフ ェル塔やロンドナーのアトラクションも観光客を感動させる要素と なっている。プレミアムマス客へのアピール強化のために客室商品 のアップグレードが計画されており、ここが、全事業者が新型コロ ナの回復と将来の成長をリードする可能性が最も高いと予想する 領域だ。これらのプロジェクトが完成すれば、ウォン氏が不動産開発の 能力を発揮するスペースはもう残っていない。 彼の過去の経験が関係してくるのがここからだ。ウォン氏は 1975年に香港政府でキャリアをスタートさせ、行政機関で出世街 道を突き進み、1985年までには1997年の香港返還に関わる主要 機関のメンバーとなった。香港特別行政区と中国本土との関係性 を支配する基本法(マカオには1999年の中国返還で発効した独 自の基本法がある)を含む重要な問題や実際の返還手続きに関し て、本土の担当者と協力して作業を進めた。香港返還後、ウォン氏 は1997年から2013年まで中国全人代香港代表を務めた。 マカオのゲーミングコンセッションが2022年に再入札を迎える 中、サンズ・チャイナは慎重に扱うべき政治問題を切り抜ける際に ウォン氏のスキルを活用することができる。現在の米中貿易摩擦 は緩和する可能性がある。しかし、マカオが米事業者からの業界の 知識や信用というものを歓迎していた2002年と比べると、今回の 再入札では、米事業者たちははるかに大きな議論を引き起こすこ とになりそうだ。時代が変わりゆく中、サンズ・チャイナは幸運にも ウォン氏を味方につけている。
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