Inside Asian Gaming
2020 年11月 IAG JAPAN 51 2020 パワー50 and in May 2017 sold the rest, ending what Ho called, “the most successful partnership in gaming history.” In March 2018, Packer quit Crown, citing mental health issues. Despite his exit, Packer owned 46% of Crown, and early last year, Wynn Resorts briefly explored purchasing part of his stake. Alerted to Packer’s desire to sell, Ho swept in. In May 2019, Melco announced it would buy 19.99% of Crown from Packer in two tranches for US$1.26 billion, with the goal of potentially taking over the company. In addition to adding market leading assets and geographical diversification, Ho wanted the Crown acquisition to prove Melco could pass regulatory muster in a blue ribbon jurisdiction, to advance his top priority, a “whatever it takes” effort to win a gaming license in Japan. But the Crown deal opened Pandora’s box. In 2014, while still partnered with Melco, Crown proposed an AU$2.2 billion (US$1.6 billion) Sydney casino hotel project now under development. New South Wales approved the project, in which Melco had no role, but specifically barred involvement by Stanley Ho, even though he was no longer active in business, if not virtually incapacitated. Melco’s initial 9.99% stake in Crown prompted renewed scrutiny by the state’s Independent Liquor and Gaming Authority, including hearings from January stretching into October, uncovering long obscured links between Melco and Stanley Ho. Melco abandoned the takeover plan, and in April sold its Crown stake to Blackstone Group, according to its Hong Kong Stock Exchange filing, to support “core operations” and strengthen its balance sheet amid the COVID-19 pandemic. Melco lost US$235 million, equivalent to a year’s profits, on the deal. Further impacts may follow. 今年はゲーミング業界 にとっては厳しい年だ。そして特にメルコの ローレンス・ホー会長兼CEOにとってはさらに厳しい。5月、父親で あり「マカオのカジノ王」として有名なスタンレー・ホー氏が98歳で 逝去した。同氏は2009年の脳損傷によって事実上、ビジネス界から は引退状態にあった。父親のホー氏は、生き残っている中で最も年 長の息子に投資銀行でのキャリアを捨て、家族のゲーミング事業に 加わるよう誘った。しかしながら、ローレンス・ホー氏の過去の行動 の名残が最近メルコに最大の影響を与えている。 元々は、SJMホールディングスのゲーミングコンセッションの下 でサテライトカジノを運営していたメルコは、オーストラリアの億万 長者ジェームス・パッカー氏と同盟を組んだ。伝説的なギャンブラー で、メディア王からカジノ投資家に転身したケリー・パッカー氏の死 によって、その息子は、オーストラリア最大手のカジノ事業者である 現在のクラウン・リゾーツの主要株主になった、ローレンス・ホー氏 とパッカー氏は、合弁会社を立ち上げ、それがメルコ・クラウンとな り、2006年3月、同社は9億ドルを投じて、ウィン・リゾーツに与えら れたマカオのゲーミングサブコンセッションを購入した。その年の12 月にこの合弁会社はナスダックへの上場を果たした。 主導者それぞれが同席会長の役職を持ったものの、ホー氏がパ レードを先導した。2007年、メルコ・クラウンは最初の施設で現在 はアルティラとなっているクラウン・マカオをオープンした。その後 2009年に、サンズ・チャイナのベネチアン・マカオと道を挟んで反対 側の、コタイの中央通りの最も上部に位置するシティー オブドリー ムスが続いた。メルコ・クラウンは、2014年末にシティー オブドリー ムスブランドをマニラへと拡大させた。同社はマカオで長い間行き 詰っていたスタジオシティプロジェクトの60%を取得し、2015年10 月にシティー オブ ドリームスとは逆のコタイの端に32億米ドルの 施設をオープンさせた。 1年後、クラウン従業員19人が中国で拘束され、違法な賭博広告 を行なった罪に問われた。2016年12月、クラウンはメルコ・クラウン に持つ株式数を減らし、2017年5月にはその残りを売却。ホー氏が 「ゲーミング史で最も成功したパートナーシップ」と読んだ関係は 終わりを迎えた。 2018年3月、パッカー氏が心の病を理由にクラウ ンを辞めた。 退職にもかかわらず、パッカー氏はクラウンの46%を所有し、昨 年初めにウィン・リゾーツがその株式の一部を購入することを短期 間検討していた。パッカー氏の、売却したいという思いに呼び寄せ られてホー氏が入ってきた。2019年5月、メルコは、買収の可能性を 目標に、12億6,000万米ドルで2回のトランシェに分けて、パッカー氏 からクラウン株19.99%を購入すると発表した。マーケットトップの 資産の追加と地理的な多様化に加えて、ホー氏は、日本でゲーミン グライセンスを獲得するために「必要なことは何でもする」という彼 の最優先事項を前進させるために、クラウンの取得によってメルコ が世界でも最も厳しい法域で法規制に合格できることを証明した かった。しかし、クラウンのこの取引がパンドラの箱を開けてしまっ た。2014年、まだメルコと提携している間に、クラウンは現在開発中 の22億豪ドル(約1,650億円)のシドニーカジノホテル計画を提案し た。ニューサウスウェールズ州は、メルコに一切出る幕の無いこのプ ロジェクトを承認したが、もうビジネス界では活動していなかった にも関わらず、事実上働けないという状態でなければ、スタンレー・ ホー博士による関与を明確に禁止した。 メルコがクラウンの最初の9.99%を取得したことが、州の独立酒 類・ゲーミング局による新たな細かい調査を呼び起こすことになっ た。その調査には1月から10月まで続いた審問が含まれており、長 い間隠れていたメルコとスタンレー・ホー氏との繋がりが明らかと なった。メルコは買収計画を断念し、香港証券取引所への報告書による と、4月に新型コロナが世界的に流行する中「核となる事業」を支 え、バランスシートを強化するために、クラウンの持ち株をブラックス トーングループに売却した。メルコは取引で、一年の利益に相当す る2億3,500万米ドルを失った。その影響はまだ続く可能性がある。
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