Inside Asian Gaming

2020 年11月 IAG JAPAN 49 2020 パワー50 earlier this year – potentially paving the way for Ms Ho to make her move. MGM’s covenants restrict its shareholders from holding meaningful stakes in any of its rival concessionaires, but they conveniently have written into them an exception for Ms Ho as relates to SJM. Late last year the 58-year-old signed an extension to non-compete agreements with MGM China and its parent company MGM Resorts that neither she nor her associates will, directly or indirectly, engage or invest in any other casino gaming business in Macau, China, Hong Kong or Taiwan or hold any shares or interest in another casino gaming business outside of certain specified exceptions. Those exceptions include her STDM interest as well as her position as Chairman, CEO and Director of Shun Tak Holdings – one of Macau’s biggest land owners with interests in a number of Macau gaming operators including Artyzen Hospitality Group, which owns Grand Lapa. Her decision to step up to the coalface at MGM China comes at a crucial time for the company, not least of all because it has felt the COVID-19 pain as much as anyone with EBITDAR losses totaling US$116 million in 2Q20. No doubt she will be keen to see signs of recovery sooner rather than later with the Macau government planning to announce details of the re-tendering process for gaming licenses in 2021. It could be reasonably argued that no one has more interest in that announcement than Pansy Ho. 今年6月、 グラント・ボウイ前CEOの辞任後1週間経たずに、MGMチ ャイナの共同会長兼業務執行取締役で、22.49%の株式を保有する パンジー・ホー氏が、共同会長兼代表取締役という新しい役職に就 くことを発表した。 ヒューバート・ワン氏とケネス・フェン氏という金融のプロを2 名体制の社長に据えた経営陣再編の一環として(ワン氏は社長兼 COO、フェン氏は社長兼CFO)、ホー氏は当時、現場でより長い時間 を過ごし、「日常的に」経営陣とこれまでよりもいっそう緊密に連携 すると述べた。 MGMチャイナの内情に通じた人達によると、ホー氏の戦略的方 向性へのインプットは常に影響力を持っていたといい、現場により 近い役割を引き受けた今回の動きは、それほど驚くべきものではな かったと話す。 さらに、同氏は現場でより長い時間を過ごし始めたと同時に、他 の場所でも影響力を増す方向へと動いている。 2019年初頭、ホー氏はSociedade de Turismo e Diversões de Macau,S.A.(STDM: 澳門旅遊娯楽股份有限公司)の支配権獲得に 向けて、世間の注目を集めるパワープレイに出た。同社は1962年に 父親であるスタンレー・ホー氏によって設立され、かつてマカオカジ ノ産業の独占権を有し、現在はSJMホールディングスの過半数株主 となっている。 フォク・ファンデーションと同盟関係を結ぶことで、STDMへのホ ー氏と新パートナーとの合算保有比率は53%に達し、そのたった数 カ月後に社内で取締役選任が行われた際に彼らは10席中6席を確 保することができた。 MGMの約款はライバルであるいずれのコンセッション保有者に も同社株主が多数の株式を保有することを制限しているが、都合 よく、SJMに関してはホー氏に関する例外が記載されている。昨年 末、58歳のホー氏は、MGMチャイナおよびその親会社であるMGMリ ゾーツとの間で、ホー氏も彼女の関係者も、直接または間接的に、 マカオ、中国、香港または台湾にある他の一切のカジノゲーミング 事業に関与または投資せず、特定の例外を除いて他のカジノゲーミ ング事業に株式または利害を持たないという競合禁止契約の延長 に署名した。 その例外の中には、ホー氏が持つSTDMの株式、そしてマカオ最 大の土地所有者の1者で、グランドラパを所有する雅辰酒店集団 (Artyzen Hospitality Group)などの数多くのマカオのゲーミング事 業者に利害を持つ信徳集団(シュンタックホールディングス)の取締 役会長兼CEOという役職が含まれている。 ホー氏がMGMチャイナで第一線へと足を踏み入れるという決 断をした時、同社はとりわけ、20年第2四半期にEBITDA損失が1億 1,600万米ドルにのぼるという新型コロナの痛みを誰よりも感じて おり、極めて重要な時期にあった。 マカオ政府が2021年にゲーミングライセンスの再入札手続きの 詳細を発表する予定である中、彼女がすぐにでも回復の兆しを見た がっていることは間違いない。その発表について、パンジー・ホー氏 以上に関心がある人物は他にはいないといっても過言ではないだ ろう。

RkJQdWJsaXNoZXIy OTIyNjk=