Inside Asian Gaming
2020 年 10月 IAG JAPAN 37 マ カオVIP業界の栄光の日々はもうとっくに終わ っている」。香港を拠点にするゲーミングコンサ ルタント会社、2NT8のマネージング・ディレクタ ー、アリダード・タッシュ氏は語る。 マカオの右肩上がりのカジノ業界に関して言 えば、かつて一城の主であった事業者たちは、今、気付けばたっ た数年前には夢にも思わなかった課題に直面している。VIP部門 は、2011年にはマカオのゲーミング粗収益の72.9%(2002年には 77.2%)を占め、2013年には実際のGGRが293億3,000万米ドルと いう過去最高額にのぼった。しかしながら2019年にはそのシェア は38.7%に、そしてGGRは全盛期の半分以下となる140億米ドルに まで落ち込んだ(注:DICJの発表では昨年は46.1%を占めていた が、こちらの数字は事業者発表の数字を基にしている)。 タッシュ氏は続ける。「VIPはもう主導権を握っていない。基本的 にはジャンケットが事業者に欲しいものを何でも要求できる時代 があった。しかしパワーバランスは変わり、今や事業者がジャンケッ トにその価値を証明するよう要求して圧力をかけている」。 今も続く中国による資金の流出抑制の取り組み、中国の経済成 長の鈍化、そしてジェンケット業務に関する規制の強化、その全て がVIP部門、特にジャンケットに影響を及ぼしている。 「 しかし、VIP部門がゆっくりと死に向かっていると一部の人が言 うものは、ある種の進化と言った方がいいのかもしれない。過去7 年間のジャンケット業界内での統合のパターンや、生き残った業者 の中で最も強い業者による新たな収益源への多様化がそれを浮 き彫りにしている。 2013年のピーク時には、マカオのゲーミング規制当局であるゲ ーミング監察協調局(DICJ)は235の個別ジャンケット事業者にライ センスを付与していたが、その数はそれ以降1年を除いて全ての年 で減少し、2020年には95という数にまで減った。 反対に、「ビッグ3」と呼ばれるジャンケット、サンシティグループ、 広東グループそしてタク・チュン・グループは、だんだんと大きくな り、サンシティは現在マカオ全体の約45%のマーケットシェアを握 っていると見られている。 サンシティと広東は、多様化においても最も先を進んでおり、両 社共に非ジャンケット事業を香港証券取引所に上場させている。 サンシティグループの上場子会社で、同名で営業する会社は、中 国本土の不動産や高級旅行事業に出資しており、この会社を通じて グループはベトナム、ロシアそしてフィリピンでのカジノ事業にその 翼を広げている。広東グループの上場子会社、リッチ・ゴールドマン・ ホールディングスは、香港でホテル運営及び貸金業を営んでいる。 フォーカス
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