Inside Asian Gaming

2020 年 9月 IAG JAPAN 9 社説 トラブル発生!日本、応答願います。 ベン・ブラシュク 編集長 あなたのフィードバックが必要です。 コメントは bb@asgam.comへ 送ってください。 2 年前、日本でIR法案が国を通過したとき、世界のゲーミング 業界は約20年の節目を迎えていた。 幾たびものつまずきはあったが、法案が通過した当時は日本 のカジノを含む統合型リゾート施設の業界はようやく、確実 になったように思えた。それから2年後の現在、日本ではその時のよう な確実性を持っているとは言えなくなっている。 少なくとも舞台裏では、まだ実現されない日本IRに適用される規 則や規程が増えていることで、日本のゲーミングマーケットの明らかな 魅力が損なわれる可能性があることは長い間指摘されていた。アナリ ストが2025年までにカジノ収益が年間150億米ドルになると予想して いたことと、事業者が100億米ドルを超える投資を約束した熱意を考え ると、それは驚くべきことかもしれない。 しかし、2019年5月のジャパン・ゲーミング・コングレスにおいても、 講演した主要幹部の口調から、懸念が高まっていることが明らかだっ た。 日本で統合型リゾートの開発をしようとしている多くの事業者の懸 念事項の1つは負債による資金調達へのアクセスで、その主な要因は、 立法府か実施すると言っている「短い5年間のライセンス期間」によっ て引き起こされている問題である。新型コロナウイルス感染症の圧力 のために事業の流動性が最も低い現在、大規模日本型IR資金の大部 分を自己資本で供給することは魅力的ではないだろう。 それ以外でも、カジノフロアの面積をIR施設の最大3%に制限、GGR に対する30%の税率、現地住民の入場料を6千円とすること、地域型IR であってもホテルスペースの下限を100,000㎡とすること、展示会場は 12万㎡以上とすることなど、以前に発表された様々な制限がある。これ がどのようなサイズなのか比較すると、例えば、今の日本最大のMICE 会場は東京ビッグサイトで、その面積は10万平方メートルである。 現在最も心配されているところは、かつてアジアIR業界の新しい宝 石だと思われていた日本からは既、にラスベガスのビッグ4のうち3事業 者(シーザーズ、ラスベガス・サンズ、ウィン)が立ち去ったことだ。大阪IR の開発がほぼ決まりかけているMGMリゾーツでさえも躊躇している。 MGM社長兼CEOビル・ホーンバックル氏が7月に電話でアナリスト に「我々がこの投資に完全に『オールイン』でない点も気に入っており、 そしてこの投資に興味を持っている誰しも、特に我々にとってうまくい けばこれをより良い投資にしてくれるだろう話し合いが遅れて再開で きるということも喜ばしい点だ」と述べている。 新型コロナウイルス感染症が世界を短期のホールディングパターン にしたことで、政府がIRの3カ所を選択するタイムラインが最大で2年 ほど遅れることはほぼ確実だと思われる。 世界的な経済情勢を考えるとそれは良いことではあろうが、気をつ けなければ、以前と同じように日本のIRはまた夢の世界に戻ってしま うかもしれない。

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