Inside Asian Gaming

2020 年 9月 IAG JAPAN 41 While some jurisdictions shy away, Macau has embraced the troubled beginningsof its junkets–utilizingpast experience to strengthen regulations while simultaneously establishing itself as a global economic powerhouse. 尻込みする法域がある一方で、マカオは問題の 多いそのジャンケットの始まりを利用し、過去の 経験を活かして規則を強化しながら、自分たち を世界有数の経済地区へと築き上げている。 2 013年、マカオのVIPゲーミングセクターは、2,385億 4,000万パタカ(約3.2兆円)というゲーミング粗収益を 記録した。2005年にゲーミング監察協調局が初めて記 録を取り始めてから9年連続で過去最高の収益を更新 した。これは、その年のマカオの総GGR、3,618億7,000 万パタカ(約4.8兆円)の65.9%を占めており、2年前にVIPが貢献し たゲーミング粗収益の72.9%にはわずかに及ばなかった。その両 方の記録が破られるのはまだまだ先になりそうだ。 2014年以降、VIPセクターはその緩やかな低下を目にしてい る。2015年には初めて60%を下回り、2018年には54.7%へ、そして 昨年はこれまでで最も低い46.1%となった。中国は2014年に大々 的に汚職撲滅キャンペーンを行い、マカオにやって来るハイローラ ーたちの数を大幅に減らした。この影響を大きく受けたジャンケッ ト業界では、取扱高が低下しただけでなく、長きにわたる統合の 時代を耐えなければならなかった。2013年には235あった認可ジ ャンケットが、3年後には141に、そして2020年にはたった95にまで 減っている。 同様に、カジノ事業者たちは、かつてはエンドレスに儲かった VIPビジネスから、その焦点をよりマージンの高いマスおよびプレミ アムマスセグメントへと徐々に移していっている。マスとプレミアム マスの両方がマカオ特別行政区への旅行者増加に後押しされて いる(2019年には過去最高の3,940万人に達した)。 フォーカス それでも、皆が2021年に期待し、できることなら世界のゲーミン グ業界を混乱に陥れた新型コロナのパンデミックが終焉すること を願う中で、ジャンケット業界が瀕死の状態にあるという意見はあ まりに的外れだ。 IRコンサルタント会社、マレー・インターナショナル・グループ会 長のナイル・マレー氏は、「この業界は現在非常に苦しい状態にあ り、それはジャンケットも同じだ。しかしVIPこそが我々を引っぱり 戻してくれることは確実だ」と述べた。 悪者扱いされることが多く、確実に勘違いされているマカオのジ ャンケット業界には、長く醜い歴史があり、それがネバダ州やシン ガポール、そして最近ではオーストラリアの規制当局の警戒に拍 車をかけている。しかし、尻込みする法域がある一方で、マカオは 問題の多いそのジャンケットの始まりを利用し、過去の経験を活か して規則を強化しながら、自分たちを世界有数の経済地区へと築 き上げている。 そして数字は嘘をつかない。VIPセクターが、ここ数年、マカオ が直面してきた困難の主な原因になっているとは言え、2019年に は、1,352億3,000万パタカ(約1.8兆円)のGGRを生み出している。こ れは、ラスベガスまたはシンガポールのゲーミング粗収益の倍以 上にあたり、フィリピンの4倍にもなる。 ジャンケットの減少よりもむしろ、2004年のマカオの統合型リゾ ート時代の到来が現在の進化に拍車を掛けている。

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