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2020 年 8月 IAG JAPAN 9 www.asgam.jp 社説 カジノでのコロナ感染は避けて通れない現実 ベン・ブラシュク 編集長 あなたのフィードバックが必要です。 コメントは bb@asgam.comへ 送ってください。 世 界のランドベースカジノ業界が再開の第一段階に入 って何とか数週間が経過し、すでに、当面の間の「ニュ ーノーマル」となることが避けられない現実の端々が 見えてきている。 オーストラリアでは、7月1日に再開してたった3日後に、後に新型コロ ナウイルス検査で陽性となった客が来場したことが確認されたとして スター・シドニーの名前がメディアで報じられた。 それと同時期に、シンガポール保健省は、コロナ患者がこれまでに 訪れたことが分かっている場所の一覧を発表し、その中にマリーナベ イ・サンズが含まれていた。数日後にはそこにリゾートワールド・セント ーサも加わった。 マニラでは、ゲーミング規制機関であるPAGCORが、スタッフの中か ら3人の新型コロナ陽性者が出たことで、アンヘレス市のカジノ・フィリ ピ―ノを閉鎖し、香港では、香港ジョッキークラブの従業員も検査で陽 性が判明し、その同僚は14日間の隔離となった。 これまでのところ感染例は比較的少ないとはいえ、現在のパンデミ ックの性質を考えると、カジノフロアに忍び寄る新型コロナ感染者数 の増加がヘッドラインをにぎわすことは避けられない。 しかし、そうなった時、冷静さを保つことが重要だ。オーストラリアと シンガポールの両国では、当局が素早くかつ効率的に対応し、一般市 民に向けて、社会的距離確保や定期的な徹底清掃など、全ての場所が 新型コロナ安全対策の下で現在営業していることを保証し、これ以上 の思い切った措置を取る必要がないと明言した。 フィリピンでは、感染者が隔離されなかったことで、PAGCORはより 大きな警戒を示した。 しかしながら、もし同様の状況が、マカオのカジノまたは統合型リゾ ートのいずれかで発生した場合に、当局がどう反応するかは見もので ある。世界のカジノの中心地は、早期に入境口を閉鎖し、マカオ住民の 安全を守るために様々な予防策を講じるなど素晴らしい対応を見せ、 パンデミックが始まって以降、新型コロナ感染者数を記事執筆時点で たった46人に抑制してきた。 今、入境口が再開し始める中で、厳しい健康・安全措置は実施され ているものの、今後数カ月のどこかの段階で個別の感染者が出る可能 性はかなり高い。 そうなった時、改めて冷静さが最終的に勝ることを願おう。

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