Inside Asian Gaming
2020 年 6月 IAG JAPAN 9 www.asgam.jp 社説 「壁を築くこと」に関する問題 ベン・ブラシュク 編集長 あなたのフィードバックが必要です。 コメントは bb@asgam.comへ 送ってください。 スタンレー・ホー博士の最近の訃報は深い悲しみと共に届けられ た。我々が親しみを込めて「近代マカオの父」と呼ぶホー博士のおかげ で、マカオやその他地域にいる我々の多くが現在享受するキャリアが存 在しており、もちろんIAGチームも例外ではない。もし彼が我々の知るア ジアカジノ業界を創っていなければ、今日我々はどこにいただろうか? ご家族の皆様を初め、長年の間に様々な方法で知り合った多くのご 友人の皆様にお悔やみを申し上げます。 ア ジアの大部分が新型コロナウイルス感染症の「曲線を 平坦化」することができた今、いくつかの国境とカジノの 再開と、このコロナ騒動以後の世界でそれらのカジノが どのように見えるかに注目が集まり始めている。 しかし、私には懸念がある。 もちろん、世界がワクチンの発見を待つ間、従業員と顧客の安全維 持に関して、完全に納得がいく短い期間で我々が必ず配慮する一連の 対策がある。基本的な社会的距離を取ることがその1つで、ゲーミング テーブルのプレイヤーの人数制限、スロットマシン間の間隔、バー、レス トラン、またはその他の出入りが非常に頻繁なエリアへの入場制限を 設けることである。 ゲーミングスタッフのフェイスマスク同様、カジノの入り口での体温 スキャナーも一般的な光景になるだろう。一部の施設では、プレイヤー にもマスク着用を義務付けるだろう。 ただ、最も興味深いのは、ゲーミングテーブルのプレイヤーとスタッ フの間に配置されたアクリル製の防護壁だ。現在、各地にさまざまな デザインが出回っており、そのいくつかは既に実装されているが、私は それは違う、その支持者ではないと言わざるを得ない。 私の質問:その程度の範囲で、人と人を遮断することは本当に必要 だろうか? 確かに、新型コロナウイルスを持つ人が突然くしゃみをしたいと思 った時には、シールドが役立つが、ほとんどの場合、症状のある多くの 人達がゲーミングテーブルに座って1日を過ごすことがないよう望むだ ろう。私が間違っている可能性もある。しかし、2人の人が同じカードと チップ両方に触れているのに、両者のスペースをふさぐのは非常に奇 妙だと思う。感染がゲーミングテーブルで起きる場合、清掃する頻度に 関係なく、これが発生源だと確信している。 誤解しないでほしい。私は決して人々の安全を保つ重要性を軽視し ているわけではないが、念には念を入れるべきであるという理論には 同意しない。 カジノは、本質的に、人々が交流を図り、楽しむための社会的な場 所である。そして、安全性は世界中のゲーミング事業者にとって依然と して今日の注目の話題であるものの、我々が人々に戻ってきて欲しい と願うあの過去へ、文字通り防護壁を築きながら再開をすることは間 違いなく逆効果である。それは、世界が今必要としていないもう1つの 壁である。
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