Inside Asian Gaming

2020 年 5月 IAG JAPAN 9 www.asgam.jp 社説 行動は言葉よりも雄弁 ベン・ブラシュク 編集長 あなたのフィードバックが必要です。 コメントは bb@asgam.comへ 送ってください。 か ねてから言っていることだが、オンラインギャンブルを 合法にして規制することに関しての一番大きな論点 は、オンラインギャンブルを規制しなかった場合の危 険性についてである。それは特に今現在、議論に値す る論点であると考える。 この数週間、私は世界各地の「新型コロナウィルス感染症のための Stay Home状況がオンラインギャンブルの増加をもたらす」という数え 切れないほどの研究論文を読んでいる。予想どおりに、これらの研究 の報告には「ギャンブルの危険」や、特に合法のオンラインギャンブル がない管轄区には「オンラインギャンブルの合法化はギャンブル依存 症増加だけに繋がる」等の注意を与える反ギャンブル活動家からのコ メントが含まれる。 その観点には様々な問題点がある中で、最も重要な問題点は「オン ラインギャンブルを違法にするならば、それは行われない」という仮定 である。 新型コロナウイルス感染症ではその正反対になっている。例えば、 私が生まれ育ったオーストラリアを例にあげると、最近IAGの記事(英 語版)は、4月始めにオーストラリア政府が「ステイホーム」を厳命して から一週間の間に、オーストラリア人のオンラインギャンブルが67%増 加したことを示したオーストラリアの商業興信所であるイリオンと分 析会社であるアルファベータの共同研究を紹介した。 研究の中にこの増加はどこで行われたギャンブルであるかの内訳 はなかったが、オーストラリアの合法オンラインギャンブルは基本的に スポーツくじと宝くじに限られている。オンラインカジノやポーカーは 禁じられている。しかし、世界中のスポーツがほとんど休止になってい るため、この67%の増加はほとんどオーストラリア政府には裁判権が なく、国民が守られない海外の違法サイトに関わっていると考えてい いはずだ。 つまり、国民を守るということが目的であるならば、禁制とするのは いい作戦ではないだろう。 新型コロナウイルス感染症とこの67%の増加の組み合わせでわか ることは、「意志のあるところに道がある」ということだ。 そして4月に公開されたResearchandMarkets.comの報告による と、アジア太平洋が今から2027年の間にオンラインギャンブルへ支出 が、の地域よりも成長率が高くなると見られている。各国の政府もそろ そろ耳を傾けた方がいいのではないのだろうか。

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