Inside Asian Gaming
2020 年 5月 IAG JAPAN 75 “I think our main demographic will be wealthy visitors from China, but if we rely solely on that, it does of course come with political risk.” – Masahiko Kunihiro 「中国の富裕層というのはメインターゲットに はなると思うのですが、それだけですとやはり政 治的リスクというものは付いてまわります」 – 國廣正彦氏 長 崎県佐世保市にある年間300万人を集客する テーマパーク「ハウステンボス」。長崎県はそ の隣接地区にIR(統合型リゾート施設)の誘致 を目指している。2021年に政府が認定する(最 大)3カ所の認定区域の中で、1カ所だけ認定 されると予想されている「地域型IR」。長崎県は、大阪府・市や横浜 市が目指す「大都市型IR」とは異なる「地域型IR」候補の先頭に立 っていると目されている。 国の基本方針策定がIR汚職疑惑や新型コロナウイルスの影響 で遅れている中、長崎県は4月上旬に「九州・長崎IR基本構想(案)」 を発表した。基本構想 ( 案 ) では、集客延人数は 690 〜 930 万人 / 年、建設投資額は 3,500 〜 4,600 億円と試算している。 今回IAGは、長崎県 企画部IR推進課課長補佐國廣 正彦氏に インタビューを行い、その可能性と課題について話を聞いた。 上村 慎太郎:まず、IR が長崎県に適していると言えるところは何 でしょうか? 國廣正彦: 3点ほどあります。まず1つ目は、候補地は大村湾に面し た風光明媚な場所であり、美しい島々が多数あります。IR候補地を 起点にしてそういった島々に少し延泊して、レジャーやクルーズな ども出来ると考えています。また長崎をはじめ九州は歴史的にも 古くから諸外国に開かれており、観光資源が豊富です。長崎県内に 世界遺産は2つありますし、食文化も独自なものがあるので魅力 になると思います。 2つ目は、IR誘致は長崎県単体ではなく、沖縄県と山口県を含 むオール九州で取り組みをして長崎県を推しているところです。エ リア内への周遊観光の展開、各地の食材や名産品の調達なども 可能です。また2時間圏内に国際空港が5つもあり、海外からの窓 口としては非常に強みがあります。あとは、既にハウステンボスが あるので、既にかなりインフラが整っていますし環境アセスの手続 きが不必要な点も強みです。 そして3つ目は、地域の合意形成という点です。県議会や佐世保 市議会では賛成が9割を超えておりますし、地元紙での地域住民 への調査で、賛成が反対を上回ったという結果も出ています。 日 日本
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