Inside Asian Gaming
2020 年 5月 IAG JAPAN 71 ると見なすレベルまではなおも機能できることを通常受け入れて きたことだ。たとえそこが犯罪組織または行為に対して同じレベル で厳格に禁止または制裁を実施していない場合でも。一部が、全 ての法域が目指すべきだと考える規範的なスタンダードというも のは、地球上で最も大きな2つのゲーミング法域のどちらにも採用 されていない。 それはいくつかのことを示している。1つ目が、規制上の黄金律 というものなどないということ。もしあれば、全ての法域がそれを 採用している、もしくは目指しているだろう。2つ目に、法域に大規 模かつ多様化された経済ベースという余裕がないこと。実用主義 が彼らにその基幹産業へのアプローチにおいてむしろより開放的 かつ進歩的であるように求めている。それは基準というものを放 棄することを意味しているわけではなく、むしろ着実に向上させる ためにその規制された法域と協力して取り組むということだ。マカ オの最近のAML相互審査は、このアプローチの知恵の証だ。 規則第6/2002号は、ジャンケットビジネスに帰属するGGRが全 カジノのGGRの7割を超えた時にマカオで施行された。厳格な規 制と適正への高いハードルは、もしかするとマカオを引きずり落と し、中国には容易に対処できない問題を残していたかもしれない。 部分的には、これはマカオに対してその経済ベースを多様化せよ という中国の継続的な激励を説明する。(中略)過去10年間に目に コラムニスト 見える進歩がほとんどないことを考えると、明らかに言うは易く行 うは難しだ。 最後に、税制について。法律第16/2001号は、ジャンケット手数 料への源泉徴収というコンセプトを導入した。GGRのシェアという 方法で受け取ったジャンケット報酬は、粗収益が、それを導き出し ているコンセッション保有者の手の中で課税されているために、所 得税の免税を享受する。これまで5%フルに課税されることはなか ったものの、源泉徴収のポイントはジャンケット事業者を、当時と しては新しいコンセプトであった利益への課税というルールに慣 れさせることだった。 この制度の立ち上げと実施に密に関わった者としては、守勢に 回りたい気持ちはある。しかし私がすべきなのは、歴史と、マカオに 与えられたカードの中で彼らが採用した対応にのみ言及すること だ。現在の規制制度は、背景や状況、マカオ人と、ほぼ間違いなく、 香港特別行政区との間で経験した問題をこちらでは一切抱えるこ とがなかった中国との両方の公共の利益に一致する結果を届け てきた。 それが優れた法律を生み出すのだと思う。まさにネバダやシン ガポールに適した優れたゲーミング法があるように。それらの法 律はその起源とそれぞれの公共の利益を表しており、そして実用 主義にも基づいている 。
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