Inside Asian Gaming
2020 年 4月 IAG JAPAN 31 巻頭特集 持の重要性を思い出させます。それは我々が嵐が来るのを常々知 っているのと同じようにです」と彼は述べている。 同様に、新型コロナウイルスは産業界におけるコスト管理の新 時代の火付け役となるだろう。 「各カジノリゾート事業者は、固定費を削減して将来の収益ショ ックに迅速に対応できるように努めます」とギャラクシー・エンター テインメント・グループのシニアマネジメントコンサルタント兼元最 高マーケティング管理者であるケヴィン・クレイトン氏は説明した。 「新型コロナウイルスで休業中の主要事業者の毎日の現金損 失額は、1日あたり300万から400万米ドルと報告されています。こ れは、バランスシート上で紛れもない負担であり、今後の注意すべ き点です。 2008年から2009年にかけての世界金融危機とは異なり、マカ オを襲った最新の危機は、各ゲーミング事業者に内部プロセスを 再設計し、組織構造を簡素化する理想的な機会を提供します。 危機はビジネスに衝撃を与え、以前は考られていなかったよう な行動を起こす可能性があります。継続的な成長の間は、組織は しばしばビジネスを圧迫し得るコストと複雑さの層の増加に苦し でいます。コストの効率化を実現させるために、すべてのカジノリ ゾート運営を詳細に調べるのに今ほど良いときはありませんし、 一方でまた、特に競争が激化するであろう顧客への対面営業の効 果改善をするため、顧客動向をより詳細にマッピングしています」。 結局のところ、クレイトン氏が言うには、コロナウイルスのパン デミックは、事業者の財政的決断力だけでなく、彼らの存在価値を 見極めるのに役立つだろう。つまりそれは、彼らの次の大きな課題 であるゲーミングライセンスの再入札に備えるときに、マカオのコ ンセッション保有6社にとって潜在的に重要な鍵となるということ だ。 「世界は新型コロナウイルスの後で変わるでしょう」とクレイト ン氏は述べる。 「ゲーミング事業者は、グローバルコミュニティのメンバーであ り、ゲームの運営をしている地元の地域社会の中心にいます。この 危機に対して各リゾート経営者やゲーミング事業者がとった行動 は、ソーシャルメディアやニュースチャネルを通じて即座に判断さ れます。 ゲーミング会社とリゾートブランドは闇夜の灯火であり、これは 地元の企業よりはるかに大きな存在です。思いやりと一貫性があ ると判断されたとき、リゾートブランドに対する誇りが大幅に高ま ることになります。 成功したリゾートブランドは、従業員を保護し、地元の地域社会 をサポートし、短期的な利益よりも長期的にブランドの健全化を優 先しているという点で、さらに一歩進んでいます」 。 “If we’re sitting here in June and the numbers look like they look now, then we’re in more serious problems.” – Vitaly Umansky 「6月になっても同じような状態が続き、数 値が今と変わらないような場合、我々はより 深刻な問題に直面していることになります」 – ヴィタリー・ウマンスキー氏
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