Inside Asian Gaming
IAG JAPAN MAR 2020 58 COLUMNISTS 開、そして最も重要なのが、中国大陸の住民に対して実施されてい る渡航制限の解除だ。 当然のことながら、この新たな現実は、マカオ経済の弱点と、長 らく言われてきたブリック・アンド・モルタル(従来型の実店舗)のゲ ーミング産業への過剰な依存を露呈させた。 マカオはどうすべきか? 今、マカオはどうすべきなのか?業界内の全ての利害関係者は、 着実にマカオの焦点をゲーミング中心の街から(MICEや娯楽、飲 食に焦点を当てた)観光中心の街へと変化させていくことを狙いに した、経済の多様化を推し進める取り組みをはっきりと意識してい る。同時に、他の選択肢が現在検討されている(金融サービス中心 地、ポルトガル語圏の国々のプラットフォーム、グレーターベイエリ ア統合)。実際、そのような努力は将来につながる道であるために、 称賛されるべきだ。しかしながら、観光主導の経済はまだ、その名 の通り、マカオへとやって来る人々に依存している経済だ。その結 果として、今でもなお渡航を阻止したりまたは、その意欲を削ぐよう な破壊要因に晒されている。他の選択肢については、その結果は不 確かで、それらを最後まで見届けるには時間(と金)がかかる。 現実を直視しよう。マカオはゲーミング市場であり、ゲーミング が、(願わくば依存度が下がった状態で)経済の原動力であり続け るだろう。マカオの現実を考慮すると、そして非ゲーミングの努力 は継続・奨励されるべきであるものの、マカオ当局は、(代替手段と してではなく)補足として、ゲーミング内での多様化を検討すること もできるだろう。そのことからも、マカオでオンラインゲーミング営 業を許可する可能性を検討する時期なのかもしれない。 オンラインゲーミング ラスベガス・サンズの元取締役、ジェイソン・アーダー氏は、CN- BCに対して、最近の新型ウィルス感染拡大が、ギャンブラーたちを 違法オンラインゲーミング、そしてオンラインギャンブルが規制する 法の下で認められているアジア唯一の市場、フィリピンへと向かう のを後押ししていると語った。 アーダー氏は「昨年に比べて春節休暇中の1日当たりのオンラ インギャンブル量は90%増加している」と述べた。 現在、オンラインギャンブルは世界中で拡大しており、マカオが 無視できない現実になっている。エディソン・インベストメント・リサ ーチが作成したレポートによると、世界のオンラインゲーミング市 場は、2018年に400億ユーロのゲーミング粗収益(GGR)を生み出 した。オンラインゲーミングへのシフトは様々な要因に後押しされ
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