Inside Asian Gaming
2020 年 1月 IAG JAPAN 11 北海道日本IR誘致 レースから離脱 2020年欧州オンライン ゲーミング業界が受ける 中国からの圧力 アジア での中国によるオンラインゲーミングとの戦いで、この経済 大国が間もなく欧州に同様の圧力をかけることになる可能性があ る。それにより同大陸で成長するiGaming産業の伸びが抑制され る可能性がある。 戦略コンサルティング会社、レグルスパートナーズ(Regulus Partners)でパートナーを務めるポール・レイランド氏が、IAGが出 席したマルタで行われたKPMG・ゲーミング・eサミットでの基調講 演の中でこの潜在的脅威を警告した。 規制上の障害と政治介入に妨害された厳しい2019年を経て迎 えた2020年、世界のオンラインゲーミングがどうなるかを話し合う 中で、レイランド氏は、今後12カ月間のiGaming事業者にとっての 気にかかるワイルドカードとして中国の名前を挙げた。 同氏は「地政学的観点から我々が目撃するであろうことの1つ、 そしてすでにそのノイズが聞こえてきているのが、中国は本当にオ ンラインゲーミングを好いていないということだ。 オンライン業界は、どちらかというと中国のこの動きに気を配っ てこなかった。それは中国が、我々が焦点を当てているオンライン 環境を妨害していないからだ。 しかし、アジア市場ではランドベースの支払い端末からオンライ ンでの直接支払いへと大きくチャンネルが移行しているのが見ら れている。中国政府は、それに気が付き、それを良しとせず、すでに フィリピンに大きな圧力をかけている。 これは中国がだいたい世界で行使できるレベルの圧力であり、 オンラインギャンブルと中国とどちらを選ぶかという質問を世界中 のどの政治家にしたとしても、その選択は非常に簡単だろう。 だから、我々は中国周辺の地政学的緊張がふつふつと高まり続 け、この業界にとって非常に興味深い意味合いを持つようになる だろうと考えている。そして我々はまだそれについてじっくり考える ことができていない」と語った。 北海道 の鈴木直道知事は、統合型リゾート施設(IR)の誘致見送り を表明した。 鈴木知事は11月、道議会の中で、「熟慮の結果、IR誘致に挑戦し たいとの思いに至ったが、候補地は希少な動植物が生息する可能 性が高く、限られた期間で環境への適切な配慮は不可能」と今回 の見送りの理由を説明した。 優先候補地であった苫小牧市議会は10月に誘致を推進する決 議案を可決。また、北海道経済連合会など道内の経済団体もIRの 誘致表明を求める「緊急共同宣言」を道に提出していた。 しかし、道議会では自民党系の最大会派内でも是非が割れ、事 実上、会派内での意見集約を諦めた。多くの希少な動植物の生息 する候補地の環境アセスメントに関しても「通常3年はかかる」と し、申請期間には間に合わないという懸念も出ていた。
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