Inside Asian Gaming

2019 年 11月 IAG JAPAN 61 2019パワー50 Not all settlements have gone so smoothly. In February 2019, the Nevada Gaming Commission hit Wynn Resorts with a record US$20 million fine for its initial failure to investigate the sexual harassment claims made against Steve Wynn by multiple employees – the largest fine ever imposed by the state of Nevada. Two months later, the Massachusetts Gaming Board issued a US$35 million fine, plus a US$500,000 fine for Maddox himself, in a hearing over the same matter. Crucially, though, in both instances Wynn Resorts was deemed fit to retain its gaming license, allowing the company to proceed with the June launch of its US$2.6 billion Encore Boston Harbor IR. Maddox wasn’t shy in offering his own thoughts on his achievements since taking over at Wynn during the Massachusetts hearings. “I believe that I’m the exact right person, at this point in time, to make Wynn Resorts a great company,” he said in his testimony. “I think you will hear that Matt Maddox is an extraordinary leader because of what he’s done. I would like to be judged based on when I took over and the actions that were done.” Certainly the company’s recent financials haven’t hurt Maddox’s cause. Despite the challenges faced, Wynn Resorts enjoyed a 5.1% increase in revenues from its Las Vegas operations to US$464.1 million in 2Q19 and a 1.0% increase in Macau to US$1.18 billion, both driven by improvements in the mass market segment. The company has also announced plans to expand its Macau flagship Wynn Palace, suggesting it is now well and truly time to put the past behind. マット・マドックス氏 がウィン・リゾーツのトップとなって最初の2年の中 にポジティブな要素を1つ見いだせるとするならば、それはここから先 は悪くなりようがないということだ。 創業者のスティーブ・ウィン氏がセクハラ疑惑の中2018年2月に辞任 した後にその仕事を引き継いで以来、マドックス氏は多くの訴訟、筆頭 株主による様々な取締役会役員への反対運動、企業文化への不信、そ して同社が州のゲーミングライセンスを保有するのに適しているのか 否かを調べる2度にわたる個別の当局による捜査など様々な逆境の中 会社を率いてきた。 しかしいよいよ、トンネルの先には小さな光以上のものが見えてき た。 会社レベルで見ると、ウィン・リゾーツの新取締役会は、創業者の軽 率な行動に対してしかるべき対応を取らなかったことで非難された以 前の取締役会とは全く異なる。ハラーズの元トップであるフィル・セート レ氏が会長職に就き、9人の役員のうちの4人が女性だ。 ウィン・リゾーツの文化を話し合う中で、セートレ氏は今年に入って、 「今回のように逆境に対してこれほど素早く強い決意をもって対応し た会社を今まで見たことがない」とコメントし、「我々は進むべき道を 見つけたと確信しており、その未来を楽しみにしている」と付け加えた。 昨年、長く続いてきた訴訟に終止符を打った立役者もマドックス氏だ った。その当時ウィン・リゾーツが最も避けたかったことがこれ以上の 悪評だった。ウィン・リゾーツは、2012年に岡田和生氏が取締役から解 任されたことに端を発した同氏に対する全ての告訴を取り下げ、岡田 氏の元会社であるARUZE USAとユニバーサルエンターテインメントと の間で、株式の強制買戻しに関して26億米ドル(約2,820億円)の和解合 意に達した。 全ての和解がスムーズに進んできたわけではない。2019年2月、ネバ ダ州ゲーミング委員会は、複数の従業員からのスティーブ・ウィン氏の セクハラ告発に関する調査を最初に怠った事に対して、ウィン・リゾーツ に2,000万米ドルの罰金を突きつけた。これはネバダ州がこれまでに科 した罰金としては最高額となる。 2カ月後、マサチューセッツ州ゲーミング委員会が同じ問題に関する 聴聞会の中で会社に対して3,500万米ドルの罰金、そしてマドックス氏 に対しても50万米ドルの罰金を言い渡した。しかしながら、ここで重要 なのは、両方のケースでウィン・リゾーツはゲーミングライセンスの保持 に適していると見なされ、同社は26億米ドルのアンコール・ボストンハ ーバーIRの6月の開業に向けて前進することが許可されたという点だ。 マドックス氏は、マサチューセッツ州での聴聞会で、ウィンを引き継い で以来、自身がやり遂げてきたことに関する自分の考えを堂々と伝え た。 証言の中で、「今の時点で、ウィン・リゾーツを偉大な会社にするため には私こそが適任者だと確信している。これまでに成し遂げたことによ って、マット・マドックスは類まれなリーダーであるということを耳にする ようになるだろう。会社を引き継いだ時点、そしてこれまで行なってきた ことに基づいて判断してもらいたい」と語った。 確かに、同社の最近の財務内容はマドックス氏の主張を傷つけるも のではない。直面してきた様々な難題にも関わらず、ウィン・リゾーツは ラスベガス事業からの収益を4億6,410万米ドルへと5.1%増加させ、マ カオでは11億8,000万米ドルへと1.0%増加させた。その両方でマスマー ケットセグメントの業績改善が後押しとなっていた。 同社はまた、マカオの旗艦施設、ウィン・パレスの拡張計画も発表し ており、ついに過去を捨て去っていることを示している。

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