Inside Asian Gaming
2019 年 8月 IAG JAPAN 57 コラムニスト 今 年のジャパンゲーミングコングレス(JgC)の 間、参加者たちは、統合型リゾート(IR)に対す る世間の認識から、飲食およびエンターテイ ンメントなどのゲーミング以外の話題、そして イベントに参加する事業者が日本市場に向 けて描くビジョンまで、様々なトピックについて情報を得ることが できた。そこでさらにいっそう明らかになったことの1つが、日本語 から英語、またはその逆方向の翻訳の中で、イベントに参加する講 演者と担当者の間でどれだけの重要な情報が失われ得るかとい うことだった。 単語を選ぶ際の微々たる違いでさえも、今後数カ月でどのよう に規制や最初の3つのIRのビジョンおよび実現可能性が決められ るかにおいて、天と地ほどの違いを生み出してしまう可能性があ る。この市場が現在の位置にある理由の一部に、両方の言語で同 じくらい上手く伝わる最適な単語や言い回しを見つけるのが難し いということがある。日本市場でこの業界が成功するためには、シ ンガポールが2000年半ばにそのプロセスを開始して以降、世界が 発展させてきたIRのための最適な枠組みの中で日本市場でこの 業界が成功するためには、翻訳・通訳の中で失われるものがない ということが絶対条件だ。 翻訳の中で失われていないものの1つに、MICE(Meeting - 会 議・研修・セミナー、Incentive - 報奨・招待旅行、Conference - 大 会・学会・国際会議、Exhibition - 展示会)施設の拡大に焦点を当 てながら、観光を推進していくという「日本人が持ち続ける願い」 がある。彼らは最初から、「IRが国内観光における中心地の役割を 果たすこと、そして、2016年12月に通過した当初のIR推進法がそ の触媒の役割を果たすこと」を願ってきた。 しかしながら、日本のゲーミング市場の未来へのカギの1つは、 最終的には将来のカジノ管理委員会が決定する300強の規制であ るだろう。委員会は90人以上の委員で構成される予定で、60億円 以上の予算がつけられている。カジノ管理委員会の委員発表が先 延ばしにされたことでスケジュールに数カ月後の遅れが出てはい るものの、委員会発足のプロセスは前に進み続けている。 一方、担当省庁の創設で、これらの規制を拡大し、委員会が発 足すればそれを管理する仕事が続けられる。この新庁の財源は直 近の通常国会で成立しており、日本の国土交通省の傘下に入るこ とが決まっている。 JgCの期間中に、統合型リゾートの将来を形作る助けとなる多 くの知識を提供したパネルの1つが、IR誘致入札においてトップを 走る企業の経営幹部たちが複数参加した最終日の最終パネルだ った。そのパネルでは、現在5年に設定されているライセンス期間 の短さに潜むいくつかの課題、そして他の主要地域と比べて短い
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