Inside Asian Gaming
2019 年 6月 IAG JAPAN 43 コラムニスト フ ィリピンのランドベースカジノ市場は、1,875.4億 比ペソ(約3,932億円)の総ゲーミング粗収益で (GGR)2018年を締めくくった。これは前年比22.9% 、そして2015年から2018年までの年平均成長率 (CAGR)は20%のプラス成長となったことを示してい る。PAGCORが運営するカジノ(カジノフィリピ―ノ)のGGRが比較的 緩やかな4%前後の成長率となった一方で、この著しい成長を大きく 後押ししたのはエンターテインメントシティにあるカジノリゾートだっ た。ソレアリゾート&カジノ、シティー オブ ドリームス マニラ、オカダ マニラ、そしてリゾートワールド マニラは合計で26.9億米ドル以上の 総GGRを達成し、前年からはほぼ30%の増加となった。 加えて、クラーク自由港とクラーク特別経済区もまた22.4%の成 長を記録し、総GGRは1億6,420万米ドルに達したことで、マニラ以外 での成長の勢いを主導した。 ザ・イノベーション・グループは、絶えず市場の状況とダイナミクス をモニターし続け、同国で多くのIR関連プロジェクトに関わってきた。 フィリピン市場固有の競争優位性に関する概要は以下の通りだ。 1) ゲーミング税制 フィリピンの低いゲーミング税は、アジア太平洋地域で商業的に 競争 力の高い状態を維持できる要因となっている。というのも事業 者はより多くの財政資 源を、将来的にさらに大きな収益につながる 顧客獲得や設備改善に割り当てることができるからである。 2) 人材と人件費 同国にいる現地人材は、最もエンターテインメント性の高いホス ピタリティ環境で働くことに情熱を持っている。加えて、英語は公用 語の一つであり、同国の教育システムにおいて主要言語として使用 されているため、トレーニングや開発セッションを効果的に行うこと ができる。同時に、フィリピンの人件費はASEAN諸国の中でも最も 安い。専門家や中間管理職でさえも、フィリピンでの平均基本給は ASEAN地域全体において最低水準となっており、競争力の高い営業 利益率と投資リターンに貢献している。 3) 改善しつつあるインフラ 巨大な国内市場、魅力的な投資ファクター、そして観光を促進する 自然環境の美しさを考えると、同国はインフラの改善と共にさらにい
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