Inside Asian Gaming
2019 年 6月 IAG JAPAN 21 巻頭特集 こ のテーブルにはホイールがあった、ルーレットテーブ ルと同じように。きれいに配置されたベッティングを 期待していた場所には、チップが無造作に山積みに され、そのホイールの反対側にも同じような光景が 広がっていた。1分たたないうちに、ホイールは回転 をやめ、チップは回収された。そしてついに、それらすべてのチップが あらゆる数字の気配を覆い隠していた場所に通常のレイアウトが姿 を現した。 江原ランドへようこそ。韓国人が唯一外国のパスポートを提示せ ずにプレイできる韓国唯一のカジノ。テーブルの削減、ディーラー不 足、そして時間短縮による逆風の1年の中でさえも、ゲーミング粗収 益は11億米ドルを超え、韓国にある16の外国人専用カジノの総合計 を上回った。 ソウルから150㎞離れた場所に位置する江原ランドは、韓国がエ ネルギー源をガスや石油へと移行させ、1989年に江原道の炭鉱が閉 鎖されたことによって誕生した。1995年の法律制定によって見捨てら れた炭鉱エリアの開発が後押しされて、地元、地方そして国の機関が 江原ランド社の創業に動いた。政府が株式の51%を所有し、知識経 済部(Ministry of Knowledge Economy)が監督を行い、残りの株式 は韓国証券取引所に上場された。韓国人によるカジノプレイへの独 占営業権は2025年まで続き、所有者は収益性と社会的責任への世 間の目の間にある細線を踏み外さぬように慎重に歩んでいる 2000年10月に30台のテーブル、480台のマシンを持つカジノ、そ して197室を持つホテルが、標高1,137メートルの場所にオープンし た。2003年4月には、現在のカジノホテル複合施設が丘を下った場所 にオープンし、テーブル100台、マシン960台そして客室477室へと拡 大された。10年をかけてこのカジノは、広さ約13,000平米のスペース にテーブル200台、マシン1,360台を置くまでに拡大した。2014年の最 も大きな拡張では、テーブル68台、マシン400台、そして会議ビジネス を狙いにした250の客室を持つ2つ目のホテルタワーを伴うゲーミン グフロアの2階が追加された。 その全てがハイワンリゾートの一部であり、1,190平米の広さに、 韓国で最も標高の高いゴルフ場、スキーコース、そしてハイキング道 に加えて合計で1,827室となるホテルとコンドミニアムを有している。 昨年7月、ハイワンはウォーターワールドをオープンさせた。これは担 当者曰く、リゾートを一年中楽しめる家族向けの観光地にするため の屋内/屋外ウォーターパークとなる。 ハイヒーリング 広報担当者は、本業は会計検査官のムン・テゴンCEOが、ハイワ ンを「花、風、森、そして光に包まれた国民の保養場所」をテーマにし た「癒しのリゾート」にしていきたいと考えていると話す。ムンCEOは 2017年12月に3年間の任期を開始させた。 ムン氏の任期終了前にオープンが予定されている改装には、リュ ージュトラック、吊り下げ式のガラス歩道そしてショーができる噴水 などが含まれている。「炭鉱文化公園(Coal Mining Cultural Park)」 も開発中だ。 平昌近郊の2018年冬季オリンピック競技会場までつながった交 通網の改善によって、ソウルから江原ランドまでのドライブはゾッとす るほどのものではなくなったが、それでもまだ3時間かかり、列車はさ らに長くかかる。 カジノへの訪問は、受付で身分証明書を提示することから始ま る。韓国人なら、9,000ウォン(約820円)の入場料を支払い、まだ持っ ていない場合は写真付きのハイワンクラブカードを受け取る。外国 人なら、同じ手順だが、自分から言い出さない限りは支払いもカード の発行もないかもしれない。カードには、カジノプレイやハイワンで のその他の消費活動からのポイントが貯まり、リゾート内でポイント 交換が可能となる。 江原ランド中毒ケアセンターの事務所もカジノの入り口エリアに あり、江原ランドは、ギャンブル障害の現地治療という概念の草分け
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