Inside Asian Gaming
2019 年 5月 IAG JAPAN 45 フォーカス “I don’t believe that the lack of regulatory control is in itself problematic, but any Australian- listed company has obligations to comply with AML and anti- corruption rules wherever they operate.” – Peter Cohen 「規制当局の管理不足自体が問題だと は思わない。しかし、どこで営業を行って いようともオーストラリアに上場する企 業は全てAMLと汚職防止のルールを遵 守する義務がある」 – ピーター・コーエン氏 ターベガスにはゲーミングエリアの拡張に十分なスペースがあった が、スターパラダイスのゲーミングに新しいジャンケットを入れたかっ たと話す。ソンブーン氏は再び自分のカジノを持ちたかったのだという 意見がある。 明らかなのは、ソンブーン氏にはポイペトでカジノをオープンさせ ることを禁止する競合禁止条項があったこと、そしてドナコが月額 150,000米ドルの手数料でスターパラダイスの施設を運営していたこと だ。2017年3月のInside Asian Gamingとのインタビューでジョーイ・リ ム氏は、ドナコはソンブーン氏とのスターベガスの運営契約の延長を 希望していた、そして、ポイペトにとっては悪夢となるタイ政府がカジノ 賭博を合法化した場合、ドナコはライセンス獲得のためにソンブーン 氏が持つタイ政府とのつながりに頼ることになるだろうと話していた。 大きな要求 しかし3カ月後、ソンブーン氏のスターベガスの運営契約は期限切 れを迎え、更新されることはなかった。 リム氏は当時を振り返って、「延長交渉をしたとき、彼の要求が大き すぎたために(ドナコは)運営を引き継ぐことに決めた」と話す。ソンブー ン氏に接触を試みたが、失敗に終わった。 ドナコはスターパラダイスから排除されたが、カジノ営業は続いた。 そしてスターベガスの主力ジャンケットがそこに場所を移動した。スタ ーベガスの17/18年度のVIP売上高は52%減少し、ゲーミング粗収益 は40%減、EBITDAは50%下がった。そしてドナコはスターベガスのラ イセンスの価値で1億4,390万豪ドルの評価損を計上した。18/19年度 の前半には、収益は安定したが、EBITDAは29%減となる1,320万豪ド ルに落ち込み、ドナコはライセンスの価値をさらに3,820万豪ドル切り 下げた。 ドナコはタイ内外からの新しいジャンケットの採用、施設のアップグ レードそしてオンラインゲーミングの開始によって事業の立て直しを図 ったが、業績は安定しなかった。同社は、後にウィンザーに改称された スターパラダイス、そして道を進んだスーパーマーケットの裏にあるカ ジノ、スターパラマックスに対する差止命令を得ている。両方が営業を 続け、さらに大きなカジノを建設中だ。 ドナコのソンブーン氏に対する1億9,000万米ドルの仲裁請求の審 問は6月にシンガポールで予定されている。オーストラリアでは、ドナコ はソンブーン氏の1億4,800万株を凍結し、1,900万豪ドルの運営手数料 の支払いを保留している。法的措置の効果について聞かれたリーシェ ル氏は「我々のゴールは株主に最善の結果をもたらすことだ」と話す。 ソンブーン氏は、タイではドナコを名誉棄損で、そしてカンボジアで は今も同氏が所有するスターベガスの土地のリース契約をドナコが破 棄したとして訴えている。同氏は、主張を後押しするために。ドナコのリ ース支払小切手を換金していないと伝えられている。
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