Inside Asian Gaming
2019 年 5月 IAG JAPAN 37 The Macau and Singapore casino industries have benefited greatly from the lack of casino gambling opportunities within China and India. Nepal’s turnmay be just around the corner. コラムニスト マカオとシンガポールのカジノ業 界は、中国とインドにおけるカジ ノギャンブルの機会の不足によっ て大きな利益を得てきた。間もな くネパールに順番が回ってくるか もしれない。 2 018年、約120万人の観光客がネパールを訪れた。これは前 年から25%の増加を示している。その中の20万人が、カジノ でのギャンブルが制限されているインド(ゴアがインドのカ ジノ全体の約95%を占めている)から、そして15万人が合法 カジノのない中国大陸からの訪問客だった。 中国に対する越境カジノ戦略によって、マカオは今日のようにギャンブ ルで成功することができた。1994年当時、マカオを訪れる中国大陸か らの観光客数は、現在のネパールと同程度であった。その年のマカオ のゲーミング粗収益は19億米ドルであったが、2001年のカジノ業界の 自由化後には、すぐにラスベガスに追い付き、追い越すことになった。 では、さらなるカジノおよび統合型リゾート開発に関するネパール の将来性はどうだろうか? もちろん、この土地の簡単な環境/SWOT分 析によって、過去数年間の政情不安や最近の自然災害に伴う混乱が引 き起こした、インフラ、そしてカジノおよび観光公共政策両方の主な不 足点を特定することができるだろう。しかしネパールはマカオとの間に 重要な共通の特徴を持っている。 まず初めに、ネパールは、インドと中国に広く陸で国境を接してい る。この2国は、世界最大かつ最速で成長する経済大国であり、国民が 持つ富と可処分所得は莫大かつ今も増加し続けている。マカオとシン ガポールのカジノ業界は、中国とインドにおけるカジノギャンブルの機 会の不足によって大きな利益を得てきた。間もなくネパールに順番が 回ってくるかもしれない。 そのように言う根拠は?私はネパール政府からの招待を受けて、3月 にネパール投資サミット2019で講演を行った。サミットでは他に、ネパー ルのK.P.シャルマ・オリ首相、副首相、そして複数の大臣がスピーチを行 った。空港、高速鉄道、道路・トンネルの建設などのインフラや外国投資 の素晴らしい計画を見せてもらった。政府は、プライベートセクターか らの投資による複数の観光および統合型プロジェクトも展示していた。 IR中心地から独立型のIR開発までの全てが議題に上がっていた。現 在政情は安定しており、政府は海外投資や合弁事業に開かれていると いう当局からのメッセージは明らかだった。銀行の頭取が一人ずつ、投 資家に対して利得の可能性や投資回収の保証を伝えていた。 講演者兼パネリストの一人に、インド国境近くにあるネパール初の IR、タイガー パレス リゾート バイラワを所有・運営するシルバー・ヘリ テージ・グループのマイク・ボルソーバーCEOがいた。タイガー・パレス は最近、豪華なプレミアムマスエリアとVIPエリアをオープンさせた。 主要インフラの整備の他に私は、ネパールに最も適した堅実な観光 基本計画とカジノ政策の重要性を強調した。同時に、マカオ、シンガポ
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