Inside Asian Gaming
2019 年 2月 IAG JAPAN 45 員会の例としては公正取引委員会、国家公安委員会、原子力規制委員 会などがあり、この顔ぶれを見ればカジノ管理委員会の持つ監督権限 の強さが伝わってくる。 参考にする海外のカジノ規制当局としては、ラスベガスがある米国・ ネバダ州のゲーミング・コントロール・ボード及びゲーミング委員会や、 シンガポールのカジノ規制機構などが挙げられる。それらの組織構成 にならい、免許審査・付与に係る監督部局や、背面調査を行う調査部 局などが置かれる。また、ギャンブル依存症対策や、マネーロンダリン グ対策を専門的に扱う部署も設置される予定だ。 政府は平成31年度予算案のなかで、「カジノ管理委員会の設置等」 として、新たに29億円を計上している。定員はこれまでの要求通りで、 国会同意が必要な委員長1名と委員4名からなる計5名の委員会と、事 務局を運営する95名。ちなみに、国会同意人事の対象となるのは、日 本銀行総裁や会計検査院検査官、公正取引委員会委員長など、重要 なポストばかりだ。 清廉潔白 大きな夢と可能性を有する日本版IRの初代カジノ管理委員会委員 長として、どんなキーマンが選ばれるかは特に注目されるところ。IRに 係るすべての人と企業に厳格な背面調査を行い、世界最高水準のカジ Japanese Prime Minister Shinzo Abe has promised that the nation’s IRs will adopt “the highest standards in the world.” 日本の安倍晋三首相は、同国のIRが「世界最高基準」を導入することを約束した。 ノ規制を目指す機関のトップは、人並み以上にクリーンな人間でなけ ればならないだろう。 日本には「清廉潔白」という素晴らしい言葉がある。これは、〝心が清 くて私欲がなく、やましいところが全くない〟という意味を持つ。残念な ことに近年の我が国の政治では、大臣が就任早々にスキャンダルや失 言で辞任するケースが増えている。 よもや、日本版IRが最初からつまずいてしまわないよう、〝身体検 査〟を完璧にクリアした、清廉潔白な逸材が委員長に任命され、IRを牽 引してくれることを祈っている。 一気にギアが上がるとき IR整備法に係る細かい政令が制定され、続いてカジノ管理委員 会が稼働すれば、いよいよ、国(国土交通大臣)からIR制度の運営に向 けた基本方針が公表される。言わば、エースピッチャーからの第1球 だ。 先に、「IR誘致を目指す自治体やIR事業者は、どんなボールでもジャ ストミートする態勢を整えておくべき」と書いた。 すでに松井一郎府知事から「独自にIR事業者に対してプランの公募 を行い、夏までにある程度の絞り込みをしたい」とのコメントが出てい る大阪府・市の速いペースを思えば、ほかの自治体や事業者も、ゆっく 日本
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