Inside Asian Gaming
2019 年 1月 IAG JAPAN 67 Jose Chan Rodrigues 特集 年々増えていきました」 3つの言語を流暢に使いこなすロドリゲス氏と同様、カノ氏も司 会をすることで、英語、スペイン語、フランス語、ポルトガル語、イタリア 語を話せる自身のスキルを活用することができた。 しかし、それと同じだけ重要なのは、観客への適応力だ、と彼女 は言う。 「台本をよく読み、イベントのスタイルと出席者を考慮して、話し 方と方向を決めることが非常に重要です。かたいのか、上品なのか、勢 いよくなのか、大人しめなのか、楽しくなのか、ふざけながらなのかを決 めなければなりません。 最終的には、観客のムードやイベントの雰囲気が、司会の進め方 を決めます。大規模なイベントには、しっかりと耳を傾け、必要ならば 静かにできるとても礼儀正しい観客がいますが、小規模なものになる と、なかなか注目を集めにくい、すっかり慣れきってしまっている観客も います。観客の注意を持続させるには、プロ意識、親切な態度、敬意を 持って臨まないといけません」 ロドリゲス氏は続ける。「司会を始めた時の課題の1つは、言葉の 扱いでした。ショーによっては、より丁寧な他の単語を使わなければな らないものがあったからです。そうなると、よりかしこまった言葉を話す 必要があり、一方では例えば音楽祭など、気分を盛り上げる楽しい喋 り方が求められます。 マカオでは、様々なイベントで司会をこなせるようにならなくては なりません。結婚式や博覧会など、1つのジャンルだけに特化したイベ ントが、それほど多くないからです。これが香港の場合は、結婚式だけ の司会として、毎晩、結婚式で話すだけで良いのです。マカオではそう はいきません。 他にも、ショーごとに異なる演出をどう行うかが課題でした。G2E アジアで司会を長年してきましたが、毎回話す内容が同じだと、観客は 飽きてしまいます。観客の前に立つのはいつも僕であり、話す内容への 期待は高まって行くので、内容を毎回変え、観客に新鮮な気持ちでショ ーを見てもらえるようにしています」 1カ月の間で、ロドリゲス氏とカノ氏は司会の場を比較的多く共に し、会談や民間企業のイベントからガラディナー、授賞式、チャリティー イベント、お祭り、ロードショー、地域団体の様々なイベントまでのあら ゆる機会で司会をしている姿を見ることができる。 ゲーミング業界のイベントについて、カノ氏はこう言及する。「とて もよい環境です。観客は非常に礼儀正しく、ステージ上での出来事に興 味を持っています。また、観客は知識があり、彼らの多くにある程度の 見分ける力があることから、そのようなイベントに参加することが好き であると伺えます」 しかしながら、司会のたびに多様性が求められるため、ステージ 上で完璧なパフォーマンスを行うには、綿密な準備が必要不可欠であ る。 「参加者の氏名を予め調べておき、正しく発音できるように練習 します」とカノ氏は付け加えた。「普段は台本を暗記するため、何かを 言う前の合図は要りません。従って、より自然に聞こえ、共感を得やす いのです。また、イベントのカラーやテーマに衣装を合わせ、私自身と 観客の両方のために調和を図ります。 ホセ・チャン・ロドリゲス
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