アジアのゲーミングおよびレジャー業界を取材して17年目を迎えたIAGの連載では、ちょうど10年前の特集記事「Cream of the mass(マスでトップを)」から、2012年1月当時の話題を振り返る!
以前にも言ったがもう一度言っておこう。変化が多ければ多いほど、より同じ状態が続く。
ここ数か月のマカオでの話題のほとんどが、事業者はかつてVIPのためにと っておいたゲーミングスペースをプレミアムマスに変更する必要があるということに集中している。特に、アジアトップのジャンケット、サンシティグループの窮状と、ジャンケット業界全体の生存能力に関する疑問を考えると。
しかし、Inside Asian Gaming2012年1月号の「Cream of the mass」というタイトルの特集記事からも明らかなように、同様の問題が10年前にも取り組まれていた。
中国旧正月期間中の訪問客増加は、大部分がマス市場プレイヤーに起因するという事実を議論する中で、我々はこのように書いていた。
「マカオのカジノ事業者は長い間、総カジノ収益の70%以上を占めるVIPバカラをあまりに重視し過ぎであることで非難されてきた。しかしながら、彼らの焦点は移りつつあるようで、全ての事業者が今、施設のアップグレードとマーケティングプログラムを通じてマスプレイヤー、特にプレミアムマスへのアピール強化に取り組んでいる」
当時、IAGはサンズ・チャイナがザ・ベネチアン・マカオのハイリミットエリアのアップグレードを進めていたことで、同社をマカオマス市場区分のパイオニアと説明したが、プレミアムマスでの10年は明らかに今後向かうべき先となっている。2021年、メルコリゾーツは、アルテ ィラ・マカオから全てのVIPスペースを、プレミアムマス専用にする目的で撤廃し、サンズ・チャイナはザ・ロンドナー・マカオへの改装がプレミアムマスをターゲットにしていることを隠そうともしておらず、今年中にオープン予定のギャラクシー・マカオ第3フェーズもプレミアムマス区分の方向を向いている。