eスポーツが世界のスポーツブックの主要サービスになるための鍵は、「ライブ」ストリームの長時間の遅延の問題を解決することであると、業界のサプライヤーが忠告。
eスポーツデータプロバイダーのPandaScoreのフラヴィン・ギロショウCEOは、15日(水)にG2E Asiaが開催したスポーツブックの将来に関するパネルディスカッションでこの問題を提起し、ストリーミングの遅延は、その慣例に気付いていない賭け手に害を及ぼす可能性が高いと主張した。
eスポーツの試合のストリーミング配信は、通常、最低1分は遅延するが、対戦相手がリアルタイムで何をしているかをプレイヤーが確認できないようにするために、最大10分かかる場合がある。ただし、それはブックメーカーに顧客よりも大きなアドバンテージを与える可能性もある。
同氏は次のように述べた。「重要なのは、顧客、パンター(賭客)、ファンの満足度だ。我々が醜い遅延について話す際、ストリームが遅れて、eSportsでストリームから実際に賭けることができないというのが常識だとは考えない。
鋭い人は気づいているが、通常のパンターはおそらく知らないだろう。また、賭けに参加したい通常のeスポーツファンはおそらく知らないでしょうし、彼らにとって、ストリームへの賭けは非常に危険なものとなる」。
「あなたがストリーミング配信を見ながら賭けていることを想像してみてください。しかし、ブックメーカーは実際の10分前に何が起こったのかを知っているのだ。試合はすでに終わっているかもしれない。それは非常に難解な状況であり、これが新しい人々をeスポーツに参加させる際の問題の1つとなる可能性がある。
Bayeseスポーツのマーティン・ダクサCEOは、従来のスポーツベッターと比較した場合、eスポーツファン独自の特性がこの問題を深刻化させていると述べた。同氏によると、従来のスポーツベッティングの少なくとも50%は試合前に掛けが行われているが、eスポーツの場合は70%以上が試合中に行われているとし、次のように話した。
「私は、顧客を魅了することやゲーム化を図り、そしてより楽しい顧客体験を提供するために、もっと多くのことを行う必要があると思う。
もしあなたのスポーツブックに[ライブ]ビデオストリームがない場合、データがTwitch上で表示されるものと一致しないため、顧客は非常に混乱する。
賭けている間にオッズが変わった際どうするかなど、改善できることがたくさんある。オッズの変更はeスポーツでは頻繁である」。
同氏は、鍵となるのは教育だと話す。
「これは別のやり方で解決する必要がある課題だ。サプライヤーとしての我々の役割は、業界全体の人々の教育である。最終的にはパンターとファンの為になることが全てである。
遅延は大きな課題の1つであり、適切に処理しないと、eスポーツの長期的な成長に悪影響を及ぼすだろう。それは結局eスポーツファンがどのように振る舞い、そして彼らが何を望んでいるかにかかっているかだ。意思の疎通が重要であり、ライブが重要である。そしてそれが我々が彼らに提供する必要がある体験である」。